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不動産・土木・建設・土地建物等綜合スレ

1とはずがたり:2005/01/07(金) 14:03
今までの過去レスなどはこちら。
http://members.at.infoseek.co.jp/tohazugatali/kf.html

1818とはずがたり:2017/04/16(日) 15:32:50
>OECD(経済協力開発機構)に加盟できるレベルの、いわゆる普通の国の多くが「住宅総量目安」「住宅供給目標」といった指標を持っている。総世帯数、総住宅数や住宅の質の現状を踏まえ、今後5?10年間にどの程度の住宅を壊し、新築を建設するかという目安である。この目安に合わせ、税制や金融をコントロールしつつ、各自治体レベルで都市計画を設定する。だから無尽蔵に空き家が増えることはない。ところが、日本にはこうした目安がいっさいなく、ただ景気対策としての住宅政策が行われてきた。

アパートの「造り過ぎ」はなぜ止まらないのか 空き家だらけになる未来を放置すべきでない
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-166067.html
06:00東洋経済オンライン

アパートに対する過剰な融資に向けられる目が日に日に厳しくなってきている。日銀が2月9日に発表した「貸出先別貸出金」によると、金融機関による不動産向け融資は70兆3592億円、前年同月比約7%増と過去最高を更新したが、そのうち31.5%を占めるのは「個人による貸家業」。つまり、個人による不動産投資、アパート経営への融資が、この2年ほど高い伸びを示してきた。

相続税増税が大きな引き金に
背景には、2015年の相続税増税に伴う地主の節税需要がある。更地の上にアパートを建てれば、相続税評価額は大幅に下がる。さらには金融機関による貸し出し競争も激化している。貸出先候補の大手企業は、手元資金が豊富なうえに資金調達の手段も多様化し、需要は限定的だ。また、本格的景気回復が見込めない中、中小企業への融資は慎重にならざるをえない。そこで土地を担保にでき、いざとなれば回収を見込める可能性の高い地主層へ、白羽の矢が立ったのだ。

しかし、すでにアパートは供給過多だと考えられる。それを示すのが、住宅情報提供会社のタス(東京都・中央区)によって算出された空室率TVI(TAS Vacancy Index)である。この指標は単なる「空室率」を表すのではなく「募集戸数」を「募集建物の総戸数」で除した「ポイント」であることに留意したい。単なる空室率と異なり、現実の需給を無視している実態をよく表している面がある。

タス社のレポートによると、首都圏アパート(木造・軽量鉄骨)の空室率TVIは、2015年春には30ポイント程度だったところ、2015年以降急激に伸びはじめ、2017年1月には神奈川県約38ポイント、埼玉県・千葉県は35ポイント弱へとハネ上がった。「新築アパートがどんどん建っているけれども、入居がない」ということを示していると見ればよいだろう。

家賃保証は、本当に機能するのか?

実際に、首都圏郊外では、完成しているにもかかわらず入居率が50%、70%にとどまるアパートが散見される。ところが、こうした状況であっても地主は直ちに困ることはない。一定期間の「家賃保証」が付いているからだ。これがいわゆる「サブリース契約」と呼ばれるもので、建設事業者がアパート全体を相場家賃の80?85%程度で借り上げている。

しかし、この保証は未来永劫続くはずもない。たとえ「30年保証」と大きくうたわれていても、期間中の家賃は景気動向その他社会情勢の変化に応じて見直される。こうしたことは契約書をよく読めばわかるはずだが、営業の現場では「絶対に安心だ」「家賃は下がらない」といったオーバートークが繰り広げられることも多いため、地主はそれを信じて契約してきた。

1819とはずがたり:2017/04/16(日) 15:33:04
>>1818-1819
こうした事態を受けて国土交通省は、サブリース契約のあり方について見直しを行い、そのリスクをより明示的にするよう通知を行うなどしてきた。しかし、さしたる効果はなかったようで、今年度はサブリース契約のあり方について再度見直しを行うとしている。

総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、2013年時点におけるわが国の空き家は820万戸だった。あれから4年が経過し、すでにわが国の空き家は1000万戸を突破しているはずだ。さらに今後、団塊の世代を中心とした人口ボリューム層は一気にいなくなる。

そうした局面では、空き家の増加は加速する。野村総合研究所によれば、たとえ新設住宅着工戸数が減少しても、それを上回るスピードで世帯数の減少が見込まれるため、2033年の空き家数は2000万戸を突破、空き家率は30%を超えると予想している。

のようなことになってしまったのだろうか。イギリスの空き家率は3?4%、ドイツ1%前後、アメリカでも11%弱にすぎず、増加傾向にあるわけでもない。シンガポールは5%弱だ。わが国の空き家が増加する最大の理由は、とりもなおさず「新築の造りすぎ」にほかならない。

OECD(経済協力開発機構)に加盟できるレベルの、いわゆる普通の国の多くが「住宅総量目安」「住宅供給目標」といった指標を持っている。総世帯数、総住宅数や住宅の質の現状を踏まえ、今後5?10年間にどの程度の住宅を壊し、新築を建設するかという目安である。この目安に合わせ、税制や金融をコントロールしつつ、各自治体レベルで都市計画を設定する。だから無尽蔵に空き家が増えることはない。

景気対策のために需給を無視
ところが、日本にはこうした目安がいっさいなく、ただ景気対策としての住宅政策が行われてきた。新設住宅着工戸数が減れば景気の足を引っ張るとして、つねに新築住宅促進政策が過剰に行われてきたのだ。全体計画が存在せず、住宅数について誰も管理していない状況なのだから、空き家が増えるのも当然だろう。高度経済成長期には、ただただ新築の建物を造りまくればよかったが、もはや必要以上に造る意味はないどころか、空き家といった課題を生み出すフェーズでは、市場全体のコントロールが必要なはずだ。

国内経済において、ある一定期間に財やサービスがどのように産業間を循環していくかを示す「産業連関表」によれば、日本では新築住宅建設には2倍以上の経済波及効果があるとされている。たとえば3000万円の注文住宅が1戸建てられれば、資材の発注や、職人への給料の支払い、そしてそれらが消費に回るなどして6000万円の効果があるというわけだ。しかし本当にそうだろうか。

実際にはそんなに効果があるはずがない。人口減少・世帯数減少局面では、新築が1戸建てられれば、その分以上に空き家が発生する。この空き家が放置されれば、倒壊や犯罪の温床となるリスクが生まれ、景観として街の価値を毀損する。こうした外部不経済がもたらすマイナスを差し引いたら、はたしてその経済波及効果はいかほどか。また自治体の行政効率も大きく悪化する。

こうした点について抜本的な手を打たないのは、現政権の不作為といっていいだろう。しかし、いきなり他国のような目安を設定してしまうと、いかに新築住宅を造りすぎているのかが白日の下にさらされ、業界の抵抗も強いだろう。新築住宅建設産業も、すぐに態勢変更はできないだろうから、国が5年程度の行程表を示し、段階的に新築住宅数を減らしていく道筋をつくるのがよいだろう。


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