したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

不動産・土木・建設・土地建物等綜合スレ

1589とはずがたり:2015/10/24(土) 22:06:53

1000万円あれば飲食店は十分開ける。数千万円かければおしゃれな居酒屋を作る事も可能だ。そのくらいの規模のビジネスをあなたは始めようとしているんですよ、という確認の意味でこの話をする。起業・独立と不動産投資の規模を比較をすれば、安定して収益が得られるとか、節税対策にアパートを建てるとった判断がいかに甘いか分かるだろう。そして大抵の人はこの説明で踏みとどまる。そこまでの覚悟は無いからだ。

不動産投資は税金や利息、維持管理の手数料を差し引いた後の実質利回りを5%も得られれば、十分成功と言える。しかし5%の利回りでも単純計算で初期投資の回収に20年かかる。20年間も素人が利回り5%を維持しつづける事は至難の技だ。しかもこれは時間価値を無視して、利益が出ずに元が取れたというだけだ(銀行預金でも20年預ければ利息はそれなりに付き、リスク運用ならばそれ以上のリターンが無ければワリに合わない)。

■不動産投資は株より「キケン」です。
番組では土地の相続税に悩んでいるという80歳を超える高齢の夫婦が1億円の借金をしてアパートを建てたという事例が紹介されていた。

大手不動産会社が示したという資料には「空室の有無に連動しない家賃保証」という説明書きがあり、グラフでは自身で貸し出した場合は家賃が年々下がっていくが、家賃保証ならば30年先まで同じ額が続くように書かれていた。

保有する土地は農地として固定資産税は低く抑えられているが、利用しなければ課税額は高くなってしまう状況だという。高齢の夫婦が広い農地を耕すのは骨の折れる作業だ。当初アパートを建てるつもりは無かったが、このような「安心材料」を提示された事で莫大な借金を背負ってアパートを建てる事になったようだ。

ただ、この判断はとても冷静になされているとは言えない。奥様はグラフの掲載された資料を前に「経験してないうちにこれを出されたら信じる他ない」と無念の表情で話していた。もし1億円の借金をして株を買いませんか?という話だったらこの夫婦は投資をしていただろうか。どんな説明をしてもまず首を縦に振る事は無かっただろう。しかし、実際には1億円分の株よりアパートの方がよっぽどハイリスクだ。

■株と現物不動産の違い。
番組で映し出されたアパートはかなり大きく見えた。仮に20室あったとして、1部屋空けば売り上げは5%も減る。しかも、周辺環境が悪化した時には全ての部屋の空室リスクが高まる。つまり分散が全く効かない。すでに説明したように不動産投資は回収まで何十年もかかる。空室率がどんどん上がって、途中で失敗したと思っても簡単には逃げられない。

それに対して、株ならば幅広く分散が出来る上に、いつでも売却して逃げる事が出来る。価格が変動する=危ない、という認識は完全に間違っている。価格が変わるという事は買い手がいる、つまり売ろうと思えば誰かが買ってくれるという事だ。それが損をする価格であってもだ。

一方で現物の不動産は日々マーケットの売買にさらされていないため、価値が急落してもすぐに気づく事が出来ない。入居者がいつのまにか減っていき、募集しても人は集まらず、空き家だらけになって初めて価値が下落していた事に気づく事もあるだろう。そしてその時にはもうアパートに買い手がつかず、売却して撤退する事も出来なくなっているかもしれない。これを流動性のリスクという。

「あなたはそれだけハイリスクな事をしようとしてるんですよ」とアドバイスを受けていたら、きっとこの高齢の夫婦はアパート投資をしなかっただろう。そしてこれは不動産投資以前の基礎の基礎となる話だ。無条件に株よりアパート投資の方が安全だと思うような人は、不動産投資を絶対にしない方がいい。投資に必要なセンス、あるいはリスクに関する知識が決定的に不足している。

加えて、リスクをリスクとして認識せずに投資をしているのであれば、それはただキケンというだけの状況だ(詳細な事情は分からないが、番組を見ただけの情報から判断するならば、土地を一部売却をするなどリスクのほとんどない形で土地を処分・運用する方向性で自分ならアドバイスをすると思う)。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板