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Tohazugatali Medical Review
7431
:
OS5
:2023/10/24(火) 18:38:49
https://news.yahoo.co.jp/articles/81159bb84551953215b19123bd81b6668fa5f0ff
卑猥な言葉を出してしまう「汚言症」 車両の連結部で叫び続けた高校時代、27歳男性の苦しみ
10/24(火) 17:06配信
読売新聞オンライン
意思に反して大きく体を動かしたり、突然声を出したりしてしまう神経疾患「トゥレット症」に苦しむ人たちがいる。症状が出ないよう我慢し続けることは難しく、好奇の目で見られたり、心ない言葉を浴びせられたりすることもある。当事者の中には、公共交通機関の利用をためらう人がいる。周囲の理解を得られず、職場を追われた人もいる。制御しきれない症状に悩みながら、社会との関わりを模索し続ける若者たち。生きづらさを抱えてどう生きるか――。(加藤雅浩)
買い物もままならない生活 卑わいな言葉も口に
減音機能が付いたつぼ型の道具を使う小田中さん。今年に入り、外出する際に持ち歩くようになった。症状が出そうになると、口縁部に口を当てて叫ぶようにしている(都内の八百屋で)
多くの買い物客でにぎわう都内の商店街。八百屋で野菜を次々とかごに入れていく小田中太一さん(27)から急に「あっ」と大きな声が出た。周囲の客は驚いた様子で顔を上げ、小田中さんの方を見る。小走りでその場を離れる人もいた。「意思とは関係なく出てしまう。周りの人には不審者だと思われてしまうし、とにかく生きづらいです」
いくつもある症状の中で、特に悩んでいるのが卑わいな言葉や挑発的な言葉を口にしてしまう「汚言症」。東京大学医学部付属病院の金生(かのう)由紀子医師によると、汚言症は「強迫的・衝動的な色彩が強い」といい、言ってはいけない言葉ほど言いたくなってしまうのが特徴だ。具体的には「死ね」や「うんこ」などと声に出してしまう。小田中さんの場合、女性器の名称も口にしてしまうため、「女性の視線がとにかく痛くて。人に見られるのが何よりも嫌でした」。喫茶店で通報され、警察沙汰になったこともある。場合によっては、口にした本人が気づいていないこともあり、周囲から理解されにくいのが現状だ。
抑えきれない症状
「『一人二人でもこの病気のことを知ってくれているんだな』と思えれば、気持ち的にも楽になれます」と話す小田中さん(都内の自宅で)
トゥレット症は、突然短く叫んだり、せき払いをしたりする「音声チック」と、激しくまばたきをしたり、自分の体をたたいたりする「運動チック」の両方が慢性化し、1年以上続いた場合に診断される。汚言症は音声チックのひとつに数えられる。
チックは無意識に出てしまう場合と、症状が出る前に体がムズムズするなどの兆候「前駆衝動」が表れる場合がある。一方だけ、あるいは両方など、当事者により異なる。症状を完全に抑えるのは難しく、無理に我慢をすると、反動で悪化することもある。
トゥレット症を発症する人は200人に1人程度。4〜7歳頃での発症が多く、10歳代前半で重症化しやすい。チックは一時的に症状が表れても、成人前には自然と消えたり、軽減したりするケースも多い。しかし、一部の人は成人後も激しいチックが続き、治すことが難しくなる。チックが出てしまう原因として、脳の神経回路や神経伝達物質の異常が関係しているといわれている。治療は投薬などが一般的だが、現代の医学で完治させる方法は見つかっていない。
親でも受け入れられず
小学4年生の小田中さん。この頃にはすでにトゥレット症と診断されていた ※一部加工しています
小田中さんがトゥレット症と診断されたのは、小学校3年生の頃。「おっ、おっ」と声を出したり、肩を動かしたりする症状が表れた。心配した母親(57)が同級生の親に相談すると、こうした症状は「チック」だと教えられた。医師から病状の説明を受けても、父親(61)は「どうしても信じられなかった。親でも受け入れられなかった」という。
小田中さんには、激しくまばたきをしたり、自分の腹部をたたいたりする症状もあった。親から病気のことを教えられても、当時は理解できなかったという。中学に上がってようやく「誰もこんな声は出していない。人とはちょっと違うな」と気づいた。「嫌われるかな。見下されたらどうしよう」と不安になった。想像していた通りになった。中学卒業を前に、汚言症が表れ始めた。
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