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Tohazugatali Medical Review
7353
:
チバQ
:2022/08/16(火) 09:57:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/772612b9dedd6a89ca181c411104a836bbece868
コロナで救急搬送困難相次ぐ 「100件以上断られ」自宅で死亡も
8/16(火) 7:15配信
新型コロナウイルス「第7波」の影響で、救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」が相次いでいる。基礎疾患があるコロナ患者の受け入れはさらに厳しく、搬送先がなく自宅で死亡するケースも出ている。訪問診療を担う医師は「医療機関にかかりたい人がかかれなくなっている。医療崩壊だ」と訴える。【秋丸生帆、鷲頭彰子、岡礼子】
【図解】自宅療養に備えたい物資のリスト
「どの病院も収容能力を超えている。みんな歯がゆい思いをしながら受け入れを断っていると思う」
済生会加須病院(埼玉県加須市)の長原光院長は苦しい現状を語る。すぐに入院できる「即応病床」が35床あり、7月中旬から救急の受け入れ要請が増加した。感染者は医療従事者にも広がり業務が逼迫(ひっぱく)。救急を断らざるをえないことも週に数十件あり、逆に30カ所断られて運ばれてくるケースもあるという。
長原院長によると、第7波で目立つのが、他の疾患を抱える患者が新型コロナに感染している例だ。「急性疾患で救急搬送され入院が必要な人が、かなりの割合でコロナに感染している。脳卒中や心筋梗塞(こうそく)などの救急事案とコロナ感染の両方に対応できる病院が足りない」と話す。
総務省消防庁によると、患者の受け入れについて4回以上問い合わせ、搬送開始まで30分以上かかった「救急搬送困難事案」は7日までの1週間に全国の県庁所在地などにある主な52消防で6589件あり、2週連続で過去最多を更新。そのうち新型コロナ感染の疑いの事案は2873件で3週連続で最多となった。
7月下旬には東京都品川区の男性が新型コロナに感染したが、搬送先が見つからず、自宅で死亡した。訪問診療「ひなた在宅クリニック山王」(東京都品川区)の田代和馬院長(32)が7月28日夕に往診。男性は末期の大腸がんを患っており、自宅で治療を続けていた。
新型コロナに感染する前は体調も良く、「もう少し病状が落ち着いたら仲間とボウリングに行きたい」と楽しみにしていたという。状況が変わったのは感染判明の2〜3日前。食欲が落ちて前日には呼吸不全の症状が出始めていた。検査をすると陽性で、入院が必要な「中等症Ⅱ」と診断された。
救急隊が到着したのは約30分後。それから約2時間、2人の隊員が受け入れ要請をしたが、「100件以上の医療機関に断られた」という。新型コロナの「第5波」で搬送が困難だった昨年夏と同じような状況なのか田代院長が尋ねると、隊員は「それ以上の気がします」と答えた。
翌朝に入院調整をすることに決めたが、男性は29日の早朝に自宅で亡くなった。他にも心不全を患う80代の陽性患者の救急要請をしたが、5時間以上も搬送先が見つからず自宅療養を続けた例もあったという。
都によると、新型コロナに感染し、入院調整中に亡くなった自宅療養者は7月以降、8月12日時点で3人。いずれも基礎疾患がある高齢者だ。搬送をあきらめる例もあり、田代院長は「基礎疾患の有無や重症度に応じた入院調整ができなくなっているのではないか」と言う。
一方、都の新型コロナ患者用の病床数は12日時点で約7000床、病床使用率は59・2%。数字の上では3000床近く空いていることになる。都の担当者は「病床が空いていてもマッチングがうまくいかない場合がある。基礎疾患がない場合に比べて入院調整は難しくなる」と話す。
受け入れが困難な背景には人手不足もあるという。「医療従事者が陽性や濃厚接触者となり、就業制限を受けることで人員不足となり十分に配置できなくなっている」。都の感染動向を分析する10日のモニタリング会議で専門家が医療現場の現状を報告した。
救急救命を担う埼玉医科大学総合医療センターの堤晴彦病院長は「多様な疾患を持つ患者がコロナに感染する時代。コロナ症状に対応する病床だけでは他の疾患に対応できないなどのミスマッチが起きている」と指摘し、「各診療科の医師らが感染症の知識や感染防止のための設備をしっかり整え、対応できるように国も支援していかなければならない」と話す。
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