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Tohazugatali Medical Review
705
:
とはずがたり
:2009/02/24(火) 18:54:05
根室市ですか産科空白地帯とは。。
医療クライシス:北海道緊急事態/1 産科空白地区・根室 /北海道
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20090213ddlk01040253000c.html
◇分娩中止2年、再開メド立たず
◇病院遠く車内で出産
「ここで産むしかない」。08年6月9日早朝、突然の陣痛に襲われた渡辺愛(まな)さん(18)は、根室市内の実家から約120キロも離れた釧路市内の病院へ向かう途中、夫智明さん(29)の運転する自家用車の中で破水した。
病院まで300メートルに迫ったところで赤ちゃんの頭が出てきた。智明さんは慌てて車を止め、自ら赤ちゃんを取り上げた。「オギャー」。元気な泣き声を上げた2750グラムの長男はそのままバスタオルにくるんだ。急いで病院の玄関前まで車を移動させ、待機していた医師に車内でへその緒を切ってもらった。
根室市内は分娩(ぶんべん)できる医療機関のない「産科空白地区」。愛さんの出産予定日は6月21日だった。一歩間違えば母子の命にかかわる危険な状況。愛さんは「まさか車の中で産むことになるなんて。とにかく痛くて、一刻も早く病院に着いてくれることだけを考えていた」と振り返る。
渡辺さん一家は今、智明さんが牛のひづめを整える牛削蹄師(ぎゅうさくていし)の資格を取るため根室管内中標津町に住む。智明さんは「できれば根室で開業したいけど、次の子を産むときのことを考えると……」。安心して子どもを産めない根室市に戻ることには二の足を踏んでいる。
◇
根室市が産科空白地区になったのは、市立病院が分娩を中止した06年9月以降。妊婦健診は釧路赤十字病院から週2回、産婦人科医が派遣される市立病院で受けられたが、出産予定日の10日前までには釧路市や根室管内別海町、中標津町の病院に入院するケースが多い。同市の07年出生数は230人。産科医不在による最悪の事態は免れているものの、07年3月にも当時23歳の女性が約60キロ離れた別海町の病院へ向かう途中に「マイカー出産」したという。
市立病院には今年1月、根室の緊急事態を聞きつけた産婦人科医の吉田孝さん(42)が広島県福山市から赴任した。しかし、分娩再開に必要な産科医2人体制を確保できるメドはまだ立っていない。
◇
産婦人科医の不足は全国的に深刻で、96年に1万847人いた産婦人科医が06年には11・5%少ない9592人に急減した。この傾向は道内ではさらに顕著で、479人から381人へ20・5%減となっている。
このため道内の産婦人科・産科の医療機関数も96年の255から05年は198まで減り、分娩を扱っているのは07年12月現在104。南檜山地域では出産できる機関がゼロとなり、道内31病院が指定されている「周産期母子医療センター」のうち市立函館▽道立江差▽滝川市立▽旭川赤十字の4病院は分娩を休止している状況だ。=つづく
× ×
医師不足や医療費削減、さらに自治体財政の悪化などによる「医療クライシス」が進んでいる。過疎化の進んだ地方だけでなく、札幌の都市部にも危機が潜む道内の現状を連載で報告する。
=============
■ことば
◇医師不足
医師の総数が減っているわけではないが、産婦人科や小児科、外科など激務といわれる診療科の勤務医不足が全国的に社会問題化。特に地方の医師不足は深刻で、04年度から始まった新卒医師の臨床研修制度により大学医局から地方に派遣される医師が減ったことも背景にある。産婦人科医などは訴訟リスクの高さも敬遠され、不足に拍車がかかっている。厚生労働省は昨年、従来の医師抑制方針を転換し、医学部の定員増を打ち出した。
毎日新聞 2009年2月13日 地方版
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