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6971チバQ:2021/08/27(金) 23:53:05
https://news.yahoo.co.jp/articles/d90cbe43a95988ddbf2a65384b070b5e12a670c8
「政治生命を懸ける」政界きっての“慎重家”岸田氏の決断
8/27(金) 11:20配信

西日本新聞
岸田前政調会長

 捲土(けんど)重来を期すべく、名門派閥、岸田派を率いる自民党の岸田文雄前政調会長が重い腰を上げた。26日、総裁選への出馬を表明し、「政治生命を懸け、新しい政治の選択肢を示す」と宣言。昨年の総裁選で後塵(こうじん)を拝した菅義偉首相に再び挑む覚悟を前面に打ち出した。政界きっての「慎重家」とされる岸田氏の決断の裏には、「最後のチャンス」となりかねない危機感があった。


 会見場の国会内の一室。岸田氏は冒頭、新型コロナウイルス対応に当たる首相への敬意をゆっくりと口にした。拡大する緊急事態宣言下で、いわば権力闘争を仕掛けることにちゅうちょした心情をうかがわせた。

 だが、その後は表情を一変させ、世論に不評な政権運営や「政治とカネ」を巡る党の対応を念頭に、「国民政党であったはずの自民党に声が届いていない、と国民は感じている」。「信頼」という言葉を何度も織り交ぜながら、ポストコロナの経済対策や医療体制の強化といった練ってきた政策を丁寧に披歴した。

 とりわけボルテージを上げたのは、「党役員は1期1年、連続3期までとする。中堅若手を大胆に登用し、党を若返らせる」と言及した場面。首相の後ろ盾となり、在職歴代最長を更新中の二階俊博幹事長に対して、党内にある根強い交代論をにおわせたのは間違いなかった。

 この1、2週間、周囲に困惑した表情を見せていた岸田氏。総裁選対応を問われても「チャンスがあれば」と繰り返すだけ。主流派閥の後ろ盾もなく、首相に大差をつけられた前回の再来を懸念したのか、政策論争を求める党内の機運を注意深く見定めていた。

 ただその間も、他派閥の協力を取り付けようと最大派閥・細田派出身の安倍晋三前首相や、麻生派を率いる麻生太郎副総理兼財務相らに秋波を送り続けた。色よい返事は得られなかったものの、選挙地盤の弱い若手を中心に「菅さんでは選挙で勝てない」との声が寄せられていた。仮に決戦を回避すれば岸田派内の求心力は低下。派ナンバー2で、衆院選にくら替え出馬する林芳正元参院議員へのトップ交代論が起き、派閥領袖(りょうしゅう)の地位を失いかねないとの事情もあった。文字通り、「出なければ終わり」(派幹部)の瀬戸際だった。

 岸田氏側近は「『反菅』票を取り込んで勝機をつかむ」とにらむ。各地に広がる首相のコロナ対応への不満を期待に変える政策を打ち出せば、「党員票で圧勝の流れができ他派閥も動く」との期待感は大きい。この日の派閥会合では、小泉純一郎元首相が党員票をてこに勝利した2001年総裁選の再現を目指す声が上がった。 (大坪拓也)


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