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Tohazugatali Medical Review
6402
:
チバQ
:2021/05/16(日) 00:15:42
https://news.yahoo.co.jp/articles/04c46ad1f5a3ffc132cab757021658e9c882fd62
首相誤算、専門家の異論噴出 急転直下の宣言拡大 五輪中止論加速も〔深層探訪〕
5/15(土) 8:32配信
時事通信
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域の追加を決め、記者会見する菅義偉首相(左)。右は政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=14日午後、首相官邸
菅義偉首相が緊急事態宣言をめぐる当初方針を覆した。新型コロナウイルス対策の強化を求める専門家から異論が噴出したためだ。首相にとっては大きな誤算で、いまだに出口戦略を描けずにいる。7月23日の開幕まで2カ月余りとなった東京五輪・パラリンピックの中止・延期論が加速する可能性もある。
◇前兆
「専門家からより厳しい対応が必要との考えが示された。今が感染を食い止める大事な時期だという考えに変わりはなく、(宣言の)追加を判断した」。首相は14日夜の記者会見で、方針転換の理由をこう強調した。
同日朝の基本的対処方針分科会。西村康稔経済再生担当相は、群馬、石川、岡山、広島、熊本の5県をまん延防止等重点措置に追加する政府案を淡々と説明し、了承を求めた。
ところが、日本医師会の釜萢敏常任理事らが「北海道を宣言に引き上げることを提案する」と口火を切ると、出席した専門家の大半が政府案より強い措置を求めた。
西村氏は途中退席すると、首相官邸に駆け込んで首相と相談。首相も「専門家の意見を尊重して対応しよう」と、政府案の修正を受け入れざるを得なかった。
前兆は12日に開かれた厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」にあった。分科会の尾身茂会長は変異ウイルスの全国拡大に危機感を示し、「北海道と岡山、広島は宣言を発令すべきだ」と主張。「専門家の一致した見解だ」と政府に迫った。
しかし、首相は経済への影響を懸念し、宣言に対する慎重姿勢を変えなかった。13日には西村氏ら関係閣僚と首相官邸で協議し、北海道は宣言を見送り、岡山、広島などは重点措置にとどめる案をまとめた。
この際、政府関係者は「(専門家の)異論は織り込み済みだ」と強調。その一方で、西村氏は周囲に「分科会での了承はしんどい」と漏らしていたという。
異例の方針転換について、政府高官は13日夜になって宣言発令を求めた北海道が「引き金となった」との見方を示す。首相は鈴木直道知事の擁立を主導するなど、良好な関係で知られる。その2人の認識のずれは、自治体側が抱える危機感を政権側が共有できていない現状を、図らずも浮き彫りにした格好だ。
今回の決定により、宣言は9都道府県、重点措置は10県に拡大する。政府関係者は「五輪までには落ち着かせたい」と語るが、思惑通りに進まなければ、東京五輪を疑問視する声が一段と強まるのは必至。このため、首相は会見で「感染対策を徹底することで、安心・安全の大会を実現することは可能だ」と繰り返し、懸念払拭(ふっしょく)に努めた。
◇「ドタバタ劇」
与党は表向き擁護する。自民党の二階俊博幹事長は周辺に対し、「厳しい措置でコロナを抑え込むという首相の強い意志だ」と評価。公明党の石井啓一幹事長は記者会見で「政府も完全無謬(むびゅう)ではない。専門家の意見でより良い方向にした」と理解を示した。
ただ、これまでにない展開に、動揺も広がっている。自民党幹部は「政権がなおざりにしてきた専門家の反乱だ。かなりの痛手だ」と指摘。首相周辺は「ぶれるのが一番良くない。国民の信頼を失う」と漏らし、閣僚経験者は「ドタバタ劇」と形容した。公明党幹部は事前連絡の有無を記者団に問われ、「そんなのない」といら立ちを隠さなかった。
一方、野党からは反発が相次いだ。立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に対し、「朝令暮改だ」と批判。共産党の田村智子政策委員長は会見で「専門家の危険信号さえまともに受け止めていない深刻な事態が示された」と断じた。
時事通信の5月の世論調査で、菅内閣の支持率は発足後最低の32.2%となった。政権内には、ワクチン接種が進むことで感染者数が減少すれば、上昇に転じるとの楽観論もある。だが、政府関係者は国民の不満が根強い現状を踏まえ、「このまま急落していくかもしれない」と危機感をあらわにした。
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