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Tohazugatali Medical Review
634
:
とはずがたり
:2009/01/20(火) 20:11:12
■世界的な水準から見た日本の歯科医療の現状
患者側の要望・医師側の要望については、双方理想を言えばきりがない面もあるのでまずは、唯一客観的かつ国際的な基準から考えていく必要がある。WHO(世界保健機関)によれば日本の医療は、世界で最も高い総合評価(質の高さ・費用の安さ・利用しやすさなど)を得ている(これは、歯科を含めた総合的な医療制度に対する評価である。)この基本的な要因は、民間資本を利用して医師養成から開院までを行い(歯科医の約7割が私立大学・大半が民間の歯科医院)公的な料金・要件設定(公的保険診療による収入が全体の約9割を占める)で料金等を統制・抑制している点にあると考えられている。しかし歯科医師過剰状態が続けば、歯科医療の評価を維持することも困難になることが予想され、ひいては日本の医療の総合評価に影響が出る可能性もある。
一般の業種では競争原理が働けば、顧客にとってサービスなどの対価を低く抑えることができると考えられるが、日本の医療保険制度下においては、保険診療の占める割合が多く(歯科では、約9割)、価格は保険点数により定められており、このような保護市場では競争原理は機能しにくい。まして歯科医師過剰において一歯科医院あたりの患者数が減少すれば、収入を確保するために、過剰診療や過剰請求などを行おうとする低モラルな歯科医師が増加することが予想され、患者側のメリットとなる予防、早期治療、再発防止などによる医療負担軽減効果は殆ど期待できない。
歯科の場合は、
* 小規模な個人開業医が多数を占めるため診療・研鑽・経営等の負担が過重になる傾向があること
* 予防・早期治療・再発防止などに重点を置くほど利益が上がらなくなり経営を圧迫するという出来高制の矛盾が指摘されていること
* 経営優先の重圧感がもたらす悪影響(患者に分かりにくい範囲での治療の劣悪化など)も軽視できないこと
* 消費者である患者からの医療の質に対する評価が、必ずしも容易とは言えない(安かろう悪かろうといった判断がしづらい)こと
などから、供給過剰であるほど低廉な費用で良い治療に直結するとは、容易にならないところに歯科医師過剰問題の深刻さがある。
また、医師と違う点は、大幅な過剰状態であり、現在開業後3年目に約30%の新規歯科医院が経営的危機、閉鎖の憂き目にあっているという厳しい現実があり、既存医院の過当競争(正常以下の利潤しか得られない(窓口負担の値引き等)も認められる。
札幌では、自己負担「無料」をうたい文句に患者を集めたり、新患を15人程度増やした患者に「報酬」を支払ったりする医院が問題となっており、これらは事実上の薄利多売的な営利活動とみなされることから、医療法に抵触する恐れもある。厚生労働省北海道厚生局は、患者が自己負担分を支払うことを定めた健康保険法に違反すると判断し、歯科医院に対し文書で改善を指導する方針を明らかにした。改善指導に応じない場合には、保険医の指定が取り消される可能性もある。
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