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Tohazugatali Medical Review

629とはずがたり:2009/01/20(火) 20:09:20

以前より歯科医師過剰問題の1つの要因として、歯学部新設・増設後に歯科受療率が横ばいから低下したのにもかかわらず、現存の歯学部歯学科の入学定員を減少させていないことが指摘されている。

この問題に拍車をかけたと考えられているのが、私立大学を始めとした歯学部と定員数の増加である。もちろん私立大学の中には、日本の歯科医療の基礎を築いた人材を多く輩出した大学があることは否定できず、その貢献は大きなものと言える。しかし、恒久的な定員数の増加は社会的要請にかなったものではない。国(厚生労働省)および日本歯科医師会は、私立大学に対して幾度かの定員減を要請しているが、実際の定員減はほとんど行なわれていない。

定員の合計は国公立が約500人(12大学)、私立が約2,500人(17大学)であり、私立の定員減が求められるのは自然なことであるが、私立大学側からは、むしろ1970年頃から国の意向で創設・拡充した国公立大学の歯学部を統廃合すべきだという意見があがっている。

大学関係者の中には、学問の自由などを根拠に定員の削減等に反対する者もいるが、歯学部ついては、公共性の高い専門職の養成機関でもあることから、定員・補助金・統廃合などに関して、相応の国策的な制約を受けることはやむをえないものと言える。

国としては歯学部の定員の削減を更に図ると共に、歯科医師国家試験の難易度を上げ、歯科医師免許交付率を下げることで歯科医師の過剰を抑制しようと考えている。事実、この施策を講じ始めた2004年度(第97回)の歯科医師国家試験は、合格率74.2%と史上2番目の低率となり、私立大学では特に大きく低下し、中には受験者の半数近くが不合格となる大学(松本歯科大学)もあった。内訳としては、国立大学 590名(合格率 87.4%)、公立大学 76名 (82.6%)、私立大学 1,529名(68%)。しかし、毎年輩出される歯科医師数(第101回合格者は2269名)と適正とされる歯科医師数(1200名としている)とが大きくかけ離れているため、結果的にそれを放置した形となった厚生労働省に対する批判は多い。

しかし歯科医療行為の特性上(視力、手先の器用さ、瞬時に診断を下す頭脳、体力などが必要)、新しく国家試験に合格する者の人数を抑制するだけでなく、年配歯科医師の診療現場からの現役引退(歯科医師定年制)を促進する必要があると考えている歯科医療関係者も少なくない。

現状

歯科医師過剰により歯科医院数が増えることと歯科受療率の低下で、歯科医院収入は低下している。過当競争・予防知識の周知・再発率の低下・少子化による人口減少・格差社会による低所得者層の増大・先行き不安感などから、家計費における優先順位の低い傾向のある歯科医療費は、ますます減少傾向にあり歯科医院収入の低下は深刻な問題である。

歯科業界においても、一部の医院からワーキングプア的な状況が生まれつつあり、経費節減のため診療時間外に技工作業等を行うことによる労働の長時間化も認められる。また歯科衛生士などに違法な診療をさせて人件費を節約するケースもある(例えば、歯科衛生士によるSRPの処置・請求は、切開などの観血的な処置と同様に、現状では法的に認められていない)。歯科の場合は、育成・開業費用等に多大な先行投資が必要なため、その点では一般社会におけるワーキングプアよりも状況は深刻と言える。

また、現在の治療ありきの保険点数制度も経営を圧迫していると指摘されている。う蝕(むし歯)や歯周病が生活習慣病の一つであるといっても過言でないことから、歯科において重要なのは治療よりも予防である。そして生活習慣病である以上、生活習慣の改善つまり正しい食習慣とブラッシング(指導)習慣、フッ素・キシリトール入りガムの使用などによって概ね予防が可能であることも事実である(外部リンクのフィンランドの歯科事情等参照)。


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