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Tohazugatali Medical Review

5587とはずがたり:2020/10/26(月) 15:32:40
否定も肯定もできない科学論文の公開、コロナ時代に加速
https://www.sankei.com/premium/news/201005/prm2010050003-n1.html
2020.10.5 16:00プレミアム

 新型コロナウイルスの世界的な流行に伴い、専門家による「査読」を経ずに研究成果をインターネット上に公開する「プレプリントサーバー」を利用する動きが加速している。新型コロナに関する最新の知見をまとめた大量の論文が日々共有され、感染症の病態解明や治療法の開発を後押しする一方で、科学的根拠に乏しい研究成果が拡散したり、誤った解釈が政策決定の根拠とされたりする懸念も指摘されている。「コロナ時代」における学術情報のあり方が問われている。(桑村大)

BCGめぐる論文

 「BCGワクチン接種は新型コロナとの闘いにおける新たな道具となる可能性を秘めている」

 今年3月末、米ニューヨーク工科大の研究グループが医学分野のプレプリントサーバー「medRxiv(メドアーカイブ)」に1本の論文を投稿した。

 グループは、研究者の間で提唱されていた「結核予防のためのBCGワクチンを接種していると、新型コロナの感染率や死亡率が低いのでは」とする仮説について検証。各国のBCG接種状況と新型コロナの罹患率(りかんりつ)・死亡率との関係を調べたところ、イタリアや米国などBCGの接種制度を導入したことのない国の方が、日本のように制度化している国々よりも統計的に有意に高かったという。論文は「相関関係はBCGが新型コロナに対する長期的な防御を与える可能性を示唆する」と結論付けた。

 論文には「面白い結果だ」「信用できない」などと多数のコメントが寄せられ、内容の信憑性(しんぴょうせい)をめぐる議論が過熱。オーストラリアなど一部の国ではBCGの有効性を確認するための臨床研究も始まった。

 一方、日本ワクチン学会は4月、仮説の真偽は科学的に確認されたものではないとして「現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない」と声明を発表している。

通常は査読を経て掲載

 研究論文は一般的に、査読と呼ばれる第三者の審査を経て学術誌に掲載される。同じ分野の専門家(査読者)が研究の新規性や有用性、論理展開と結論の整合性などを精査し、学術誌の掲載に値するか否かを判断。問題点があれば、著者は査読者の指摘に応じて論文を修正し、査読者を納得させることができれば論文として受理される。

 一方、査読制度が抱える課題も少なくない。学術誌によって差異はあるものの、査読期間は数カ月、長ければ半年以上に及び、近年は投稿論文数の急増による査読者不足も指摘されている。査読者によるアイデアの盗用といった不正行為の報告も後を絶たない。

 そこで、近年広がりを見せているのが、煩雑な査読の過程を飛ばして素早く論文が公開できるプレプリントサーバーだ。1991年に開設された物理学分野の「arXiv(アーカイブ)」を皮切りに、生命科学や化学といったさまざまな分野のプレプリントサーバーが続々と誕生。開設に慎重だった医学分野のmedRxivも昨年ようやく始まった。

増す存在感

 最新の知見を迅速に共有することが求められるコロナ禍において、プレプリントサーバーはますます存在感を増している。medRxivと生命科学分野のプレプリントサーバー「bioRxiv(バイオアーカイブ)」への投稿はここ数カ月で急増し、10月1日までに計9千件以上の新型コロナ関連の論文が公開されている。medRxivの月当たりのページ閲覧数も約1500万件に上り、流行以前の15倍に跳ね上がったという。

 一方、利用する側は公開されている論文が査読前であることに留意する必要がある。査読があったとしても論文の質や正確性が十分に担保されるわけではないが、プレプリントサーバーでは誤りが見つかって訂正されたり、撤回されたりする事例が目立つ。科学的根拠が不十分な研究をメディアが報道したり、政策決定の根拠とされたりする懸念も指摘されている。

 bioRxivは現在、「新型コロナウイルスに関する査読前論文が非常に多く投稿されているが、それらは査読を受けていない段階のもので、何らかの結論が出たものと解釈したり、臨床研究に用いたり、ニュースメディアで取り上げたりするべきではない」と注意喚起が表示されている。

 国内からも査読前論文の扱いを啓発する動きがある。6月上旬には、自然科学研究機構の小泉周特任教授や京都大の科学広報担当者らが「プレプリントサーバーに掲載されたこと自体は、なんら科学的な検証がなされた結果ではない」とした上で、「査読前論文の報道発表は慎重にすべきだ」との提言を公表した。

 一般社団法人「科学・政策と社会研究室」の榎木英介代表理事は「プレプリントサーバーありきの時代を迎える中、論文の質とスピードのバランスなど、新しい学術情報のあり方を考えていく必要がある」と指摘する。


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