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Tohazugatali Medical Review

5453チバQ:2020/06/18(木) 18:09:06
 「中川氏に任せる約束は、どうなってるんだ」

 翌日には、「横倉が迷っている」「出馬するようだ」との情報は医師会内を駆け巡った。もちろん中川氏の耳にも届いていた。


 筆者は、真偽を確かめるために、横倉氏にメールを送った。返ってきたメールにはこう書かれていた。

■「地元や周辺が納得しません」

 「地元や周辺が納得しません。争いは避けたいので、苦労しています」

 一度はこの新型コロナウイルス禍のさなかでの権力闘争を否定し、事実上の「禅譲」を持ち掛けた横倉氏が翻意したとなれば、その約束を信じて選挙運動さえ控えてきた中川氏を裏切ることになる。記事のトーンとしては批判的に書かざるをえない。裏切りに端を発した役員選挙は必ず遺恨を生み、そのことがしこりとなって、怨恨の連鎖が続くことを、これまでの医師会取材で経験してきた。

 筆者は横倉氏に、メールでこう伝えた。

 「少し厳しい記事にならざるをえませんが、お許しください」

 すると、しばらくして横倉氏から返信があった。

 「9時過ぎに電話します」

 そのころ横倉氏は、信頼する東京都医師会長の尾崎治夫氏と電話で話をしていた。前日に横倉氏の方から相談を持ち掛け、この日の夜に電話で話すことになったのだ。

 尾崎氏は、「この時期に医師会内部で争いは避けたほうがいい。横倉会長は、このコロナウイルス対策で相当疲れていると思うし、後は若い世代に任せてはどうか」と伝えた。コロナ禍の中心となった東京都医師会で奮闘していた尾崎氏にとって、選挙戦を戦う心の余裕などなかった。できれば選挙なしの禅譲が望ましいと考えていた。


 説得を受けた横倉氏の心は決まったようだ。午後9時過ぎ、筆者のスマホに電話がかかってきた。

 「この前、話した通りにするよ」

 「この前」とは、4月22日にインタビューで明かした事実上の中川氏への禅譲のことだ。少し疲れている様子だが、それでも「国民がご苦労されている時にね、権力闘争するわけにはいかん。最終的には俺が決めること」とキッパリと宣言し、電話を切った。

 横倉氏はその後すぐに、選挙を避けるために奔走していた金井埼玉県医師会長にも出馬しない決意を伝えている。金井氏は「さすがです。美しい引き際です」と答えたのを覚えている。横倉氏は翌日、中川氏本人にも「不出馬」を伝え、6月6日に開かれる九州医師会連合会の会合に中川氏を同行させ、そこで地元の医師会幹部らに紹介することを告げている。


 ところが、筆者が契約している業界紙であるRISFAXに「日本医師会・横倉会長が勇退、中川副会長に禅譲」(28日付)という記事が出た3日後、横倉氏は再び揺れた。

■中川氏が親しい医師会長に送ったメール

 31日夕、中川陣営に「横倉氏が再び迷っているようだ」との情報がもたらされた。

 「(約束を)撤回することは社会常識的にも考えにくい。横倉会長の晩節を汚し、日本医師会のイメージダウンになるのではないか」

 中川氏は、親しい首都圏の医師会長にメールを送ったが、直後には「横倉出馬」の報がもたらされる。ちょうどそのころだ。筆者のショートメールに横倉氏から「会長交代にあまりにも批判が強いので再考します」とのメールがあったのは。


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