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Tohazugatali Medical Review

5420チバQ:2020/05/21(木) 11:05:02

アビガンは「悪魔の薬」という声も

致命的な欠点を持つ

 その理由は明白。アビガンは、そもそも「現代の新薬」としては「致命的な欠点」を持っているからだ。

 筆者は以前、新聞社や「週刊ダイヤモンド」で長らく製薬業界担当の記者をしていた。そのころアビガンは、抗インフルエンザ薬として承認申請されたばかりの時期であった。

 世間にはタミフルやリレンザに続く、「日本企業による抗インフルエンザエンザ薬」として“大ヒット”を予想する声があった。

 しかし、当時の製薬業界関係者から聞いた声は驚くほど冷めていた。

「アビガンは『悪魔の薬』だ。商業的には絶対に成功しない」

「悪魔の薬」とは、どういうことなのか。

 これが先述した「致命的な欠点」を指す。その欠点とは、ずばり、催奇形性である。催奇形性とは、妊婦が服用したときに胎児に奇形が起きるリスクのことだ。

 催奇形性といえば、あまりにも有名な薬害事件がある。

 1960年前後に鎮静・催眠薬として普及していたサリドマイドによる薬害である。当時、「妊婦でも安全」とされ、世界中で多くの女性が妊娠中に服用した。その結果、妊娠初期に服用した女性の胎児が被害を受け、手がアザラシのように短くなった赤ちゃんが生まれ、国際的な薬害事件として問題となった。死産・流産を含めると世界で20万人以上が被害を受けた。催奇形性では、世界で数千から1万人、日本でも約1000人の胎児が被害を受けたとされる。(※)。

 当時、サリドマイドは「悪魔の薬」と呼ばれた。このため、催奇形性という同様の副作用データがあるアビガンも「悪魔の薬」と揶揄(やゆ)されてしまった格好だ。

 繰り返すが、この副作用は、何よりも安全性が最優先される現在の新薬開発において致命的だった。既にタミフルやリレンザという既存薬が存在していたこともあり、本来ならば、わざわざ「抗インフルエンザ薬」として承認されるものではなかった。

 ところが、アビガンには思わぬ新規性があった。既存薬とは作用メカニズムが大きく異なっていたのである。タミフルなど既存薬は、ウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を防ぐ。対してアビガンは、感染した細胞内で、ウイルスの遺伝子複製を阻害して増殖を防ぐ仕組みだ。

 作用メカニズムが異なれば、既存薬に耐性を持ったウイルスに対しても十分な効果を発揮すると考えられた。当時は鳥インフルエンザをはじめ、新型インフルエンザのパンデミックが懸念されていたこともあり、日本では2014年3月に「非常事態への備え」として条件付きで承認されたのである。

 そして、このアビガンは、アフリカでエボラ出血熱や今回の新型コロナウイルスなど、未知のウイルスによる新興感染症が社会問題化するたびに注目され、試されてきたのだ。


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