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Tohazugatali Medical Review

5330とはずがたり:2020/04/20(月) 18:40:19
>>5329

牛乳、海水浴、マスクの普及に貢献
 松本順は順天堂の創始者、佐藤泰然の次男として生まれた。幕府奥医師松本良甫の養子となり、長崎で蘭医学を修めたあと、将軍の侍医も務めた。戊辰戦争では幕府軍とともに各地を転戦し、新撰組とも親交を深め、維新後は陸軍の軍医となり、衛生制度の確立に尽力している。

 そのドラマティックな人生は、司馬遼太郎の小説『胡蝶の夢』に詳しい。また、現在再放送されているTBSドラマ『JIN-仁-』では、主人公に協力的な医師として好意的に描かれている。

 牛乳の飲用を奨励し、海水浴の効用を説いて神奈川県大磯に海水浴場を開設した人物として知られるが、日本におけるマスク普及の始祖でもあったのだ。

 松本が陸軍軍医総監を退職した明治12(1879)年の『郵便報知』に、「レスピラートル(呼吸器)」という商品の広告が掲載されているが、これがまさに感染症予防を目的とした「黒マスク」である。

 宣伝文には、「効験は寒冒を防ぎ咳嗽(がいそう)を止め気管炎其他呼吸器諸病を防止する」とあり、現在と変わらぬ形の黒マスクをつける2人の男性が描かれている。

世界が驚く「日本のマスク習慣」最初に広めた意外な人物をご存知か
『流行性感冒』(内務省衛生局編)
「マスクをかけぬ 命しらず!」
 マスクが広く世間に認知されるようになるのは、大正時代のスペイン風邪(インフルエンザ)流行当時(1918年〜)である。

 このとき率先してマスクを着用したのが、かつて松本が軍医総監を務めていた陸軍だった。警視庁もすべての警察官にマスクを着用させている。今も残る当時の写真には、白いマスクをつけた人と黒いマスクをつけた人の両方を見ることができる。

 当時、内務省が作成した「流行性感冒(インフルエンザ)」予防のための啓発ポスターには、家庭で黒マスクをつけた妻が夫を看病する様子や、混みあう電車内で黒マスクをつけている乗客たちの様子が描かれている。後者のポスターには、「恐るべし『ハヤリカゼ』の『バイキン』! マスクをかけぬ 命しらず!」という言葉が添えられている。

 その後、インフルエンザが流行するたびにマスクの需要が増え、戦後1950年代にはそれまでの布マスクに代わりガーゼマスクが、1970年代には不織布マスクが登場、その後もマスクは進化を続け、今日に至る。

 新型コロナウイルスの感染予防対策として、4月17日から「アベノマスク(布マスク2枚)」の配布が始まった。連日テレビに映る安倍首相や麻生副総理、加藤厚労相らの違和感だらけのマスク姿が、マスク着用の足枷とならないことを祈るばかりだ。

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【参考文献】
・内務省衛生局編『流行性感冒 「スペイン風邪」大流行の記録』平凡社
・一般社団法人北多摩薬剤師会ウェブサイト
https://www.tpa-kitatama.jp/index.html
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田中 ひかる(歴史社会学者)


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