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Tohazugatali Medical Review

5135とはずがたり:2018/11/10(土) 22:52:42
>>5134
免疫療法が統計上の問題をクリアできない理由

 …中村氏は、こんな憤りを記している。
「そして、小さな子どもさんたちがいる40歳代の胃がん患者さんが、同じような状況で、本人や家族が望んでいた免疫療法を受けることなく、8月の終わりころ、この世を去っていった。今の日本の制度では、胃がんの場合、2種類の抗がん治療を受けた後にしか、免疫チェックポイント抗体治療を保険診療として受けることができない」

「え?ノーベル賞もとった治療法なんだし、本人が希望してるんだからすぐに最初から受けさせてやればいいじゃん」と思うかもしれないが、厚生労働省の免疫チェックポイント抗体の胃がんに対する最適使用推進ガイドライン(平成30年8月改定)に、そのように定められているのだ。

 もし胃がんの方が、「オプジーボを使いたい」と強く希望をしても問答無用で、「いやいや、まずは抗がん剤から始めましょうか」となってしまう。つまり、抗がん剤の副作用に散々苦しみ、がんには効かずに進行して、患者さん自身の免疫も低下したところでようやく、免疫チェックポイント抗体にたどり着く、という焼け石に水的ながん治療となってしまうのだ。

 なぜこんなことになってしまうのかというと、免疫療法は抗がん剤ほどには、「有効性が確立されていない」からだ。薬の「有効性」というのは極端な話、何万人にワッと飲ませたら、そのうち2割には効かなかったが8割くらいには効いた、といった具合にデータを取るという、「統計学」である。

 世界のがん医療の現場では当たり前のように免疫療法の効果が認められ、本庶氏はノーベル賞も受賞したのだが、免疫療法はこの統計上の問題がクリアできていない。なぜかというと、今回の受賞に端を発する”免疫療法ブーム”の中で報じられているように、これは「化学薬品ががんを殺す」のではなく、「個々の人間が持つ免疫ががんを殺す」からだ。

 免疫は個人によって違う。よって、免疫チェックポイント抗体の効き方も当然、個人差が出てくる。そうなると、膨大な数の人に化学薬品を飲ませて経過観察をする大規模治験のように、スパッとイエス・ノーが出ない。「統計上の問題」がなかなかクリアできないのである。。

 そういう理屈を聞けば、免疫チェックポイント抗体に「有効性が確立されていない」というのがかなり不毛な話だということがわかるが、一部の医療関係者はこの「統計上の問題」を取り上げて、「エビデンスのない怪しい治療」とディスってきた。

免疫療法を受けたいと言うと医者から見放されてしまう

 そのため、「研究室内ではネズミでそれっぽい結果が出ているけど、人間の患者に対しては眉唾だよね」と蔑む医師もいた。

 製薬業界で、オプジーボの開発を続けてきた小野薬品工業が「変人」扱いされていたように、世界では競い合うように研究されている免疫療法は、日本の医療界では「エビデンスの乏しい治療」と軽んじられてきたのだ。

「本庶氏のノーベル賞でインチキ免疫療法までもが盛り上がって心配だ」と騒ぐことも重要かもしれないが、その前に「免疫療法を受けたい」というがん患者の声を握り潰してきた過去を反省して、「標準治療至上主義」ともいうべき教条主義的思想を改めることの方が先のような気がしてならない。




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