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Tohazugatali Medical Review

4978とはずがたり:2017/12/05(火) 22:00:51

WEB特集 高額な抗がん剤 廃棄の実態
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2017_1205.html?utm_int=detail_contents_tokushu_002
12月5日 18時30分

日本人の死因で最も多い「がん」。近年、革新的な抗がん剤が登場する一方、こうした新薬は価格が高く、医療現場で処方が増えると、その分、国の財政が圧迫される構図が続いています。こうした中、患者に投与された後、使い切れずに廃棄された抗がん剤が年間730億円余りにのぼるという試算を専門家がまとめました。なぜ、高額な抗がん剤がこれほど、廃棄されているのか。国の対策は?(政治部 厚生労働省担当記者 奥住憲史)



止まらない“医療費”の膨張と、高額な薬剤

「42兆3644億円」

皆さんは、この数字を見て何を感じますか? あまりにもケタが大きく、ピンとこないかもしれませんが、これは、平成27年度に国民が医療機関で病気やけがの治療を受けるのにかかった費用の総額です。

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「私には関係ないよ」とはいきません。このうちの40%近くにあたる「16兆4700億円」は公費、つまり、私たちが納めている税金で賄われているのです。

この巨額な医療費はこれからも膨らみ続けるとみられ、その分、私たちの負担も否応無しに増えていくわけです。

医療費を押し上げる一因とされているのが、公的医療保険が適用される高額な薬です。

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例えば、高い治療効果から「夢の抗がん剤」とも呼ばれる「オプジーボ」。手術ができないほど進行した肺がんや皮膚がんを縮小させるなど、これまでの抗がん剤には無い治療効果が確認された一方、国の負担分も含めて年間およそ3500万円もの費用がかかることで、注目を集めました。

ことし2月に緊急的に価格が引き下げられましたが、それでも、患者1人で年間1000万円以上かかるケースもあります。

廃棄額は“738億円”

ところが、こうした高額な抗がん剤が、患者に投与された後、使い切れずに廃棄されているというのです。

私は、ある関係者を通じて、慶応大学大学院の岩本隆 特任教授を取材しました。

岩本氏から渡された資料のタイトルは「医療費の抑制に向けて」。使い切れずに廃棄された抗がん剤が、金額に換算してどの程度の規模になるのか、国立がん研究センター中央病院の協力を得て推計した詳細なデータが記されていました。

資料を読み込もうと、表紙をめくって最初に目に飛び込んできたのは、「廃棄額は738億円」という数字でした。奇をてらうでもなく、淡々と記されたこの数字に、私は衝撃を受けました。

永田町・霞が関では、伸び続ける社会保障費をどうやって削減するのか、業界団体も巻き込んだ激しい議論が毎年、繰り返されているだけに、決して小さな金額ではないと感じたからです。

岩本氏は、去年7月からことし6月までに販売された100種類の抗がん剤の廃棄率などのデータをもとに試算した結果、全国で1年間に廃棄される抗がん剤は全体の9点8%、金額にしておよそ738億円にのぼるとしています。

廃棄額が最も多いのは「アバスチン」という抗がん剤で、およそ99億3000万円、次いで、先に触れた「オプジーボ」が90億7000万円などとなっています。全体の廃棄額の8割にあたる、およそ601億円分は、病床数が200床以上の病院で廃棄されたとしています。




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