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Tohazugatali Medical Review

4926とはずがたり:2017/09/08(金) 09:56:59

 余談だが、『選択』の指摘は、戸井教授たちにも効いたようだ。8月24日にNEJMに掲載された読者からの質問への回答で、自らがJBCRGの理事であることを認めた。具体的な記載は以下だ。

“Drs. Toi and Masuda, and other authors of the June 1 article, report being members of the board of the Japan Breast Cancer Research Group.”

 ただ、この文章を書いている9月5日現在、「JBCRGは研究に関与していない」という原著での記載は訂正していない。

公にしたくないカネの授受
 以上をまとめると、「自分たちはJBCRGの理事で、JBCRGから金をもらったが、JBCRGは研究には一切関与していない」と主張していることになる。もちろん「中外製薬から巨額の資金が提供された」とは書いていない。

 彼らの主張は、全く矛盾しているし、その対応もあまりにもせこい。「堂々と製薬企業から金を貰いました。一緒にやりました」と言えばいい。

 なぜ、研究者たちは、このような手の込んだことをするのだろうか。

 中外製薬から戸井教授にカネを渡したければ、京都大学に寄附金や業務委託として支払えばいい。この場合、大学が事務処理を一切引き受ける。個人の賞金なら、税金は年末調整で処理してくれる。

 ただ、この場合、大学が資金の管理をすべてチェックする。面倒だ。このようなルートを介さないのは、使い勝手の良い金を手に入れるためと考えるのが妥当だ。

 例えば、ACROを例に説明しよう。この組織は製薬企業の社員が独立して立ち上げた。現在の理事長は国立がん研究センター(国がん)の元部長が務める。私が国がん在籍中に、上司としてお仕えした経験のある人物だ。

 ACROの機能は研究のサポート。そのうち、最も大きいのは製薬企業から資金を集め、研究者に分配することだ。研究者は、ACROに多少の手数料を抜かれるが、「大学や病院の事務を介さずにすむ使い勝手の良いカネ」を手に入れることができる。

 もし国がんや京大に直接カネを入れれば、事務方の厳しいチェックを受ける。そのためACROは研究者にとって有り難い“財布”となる。

 大学の事務方と比べ任意団体はチェックが緩いので、私的流用されやすい。戸井教授を知る人物は「戸井教授は『JBCRGは一般社団と任意団体の2つあり、今回の研究は任意団体が行った』と説明している」と言う。 

 JBCRGという団体が2つあるとすれば、前述の戸井教授の説明も理屈が通る。

 「自分たちは『一般社団法人』JBCRGの理事で、『一般社団法人』JBCRGからカネをもらったが、(研究を実施したのは任意団体JBCRGで)、『一般社団法人』JBCRGは研究には一切関与していない」というロジックだ。

 これは、かつて政治家がよく使った手だ。

政治の世界では遺物となった手法
 「自発的」に立ち上がった後援会が、会員から「自主的」に会費を集める。この組織は任意団体だが、政治家の政治資金管理団体と名前は同じ。多くの有権者は区別がつかない。

 このようにして集めた金を政治家は政治資金に流用する。任意団体だから、収支の報告義務がない。もちろん、この方法は資金の使い方次第で違法となる。刑事事件になったことも少なくない。

 今回のケースで、私が関心を抱いているのは、ACROから研究者にどのようにカネが渡っていたか、そして、そのカネをどのように使っていたかだ。

 前者については、京大やJBCRGに振り込まれた可能性も否定できないが、おそらく違うだろう。それなら最初から京大やJBCRGに入金した方がいい。ACROを介した分だけ、手数料を取られるからだ。

 私は任意団体に入れていた可能性が高いと考えている。かつて、よく使われた手だ。

 BCRGは任意団体として立ち上がり、その後、一般社団法人へと改組した。研究費助成金を支払ったACROが両者の区分がついていなかったとしても不思議ではない。


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