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Tohazugatali Medical Review

4722とはずがたり:2016/09/26(月) 16:19:17
>>4721-4722
●国際的な人材を育てる

 8月末には、国際医療福祉大学医学部を来春、千葉県成田市の国家戦略特区に新設することが認められた。37年ぶりだった今年から2年連続の新設になる。

 位置づけは、東北とはかなり異なる。「国際的な医療人材の育成のための医学部」だ。

 医学部入学定員140人のうち、20人は東南アジアを中心とした留学生を受け入れる。国際的に活躍できる医師育成のため、講義の大半は英語で行い、6年次には全員に4週間以上の海外での臨床実習を課す。

 5千平方メートル超と世界最大級の「医学教育シミュレーションセンター」や、専任教員25人による「医学教育統括センター」を設ける。診療参加型臨床実習を、4年生から90週間実施するのも売りだ。

 同大で医学部設置準備室長を務める池田俊也氏は、「既設の大学で実現できなかった新しい医学教育が実現できる」と意欲的だ。

 学費は6年間合計で1850万円と、全国の私立大学医学部では最低水準に抑えた。校舎や新病院の整備費用はかさむが、これには国際空港という特別な財源を持つ成田市が支援。医学部・附属病院の用地は、市が約33億円で取得・造成し、大学に無償貸与するほか、校舎建設にも45億円を補助する。16年4月にはひと足先に成田看護学部・成田保健医療学部が開学し、敷地内に医学部校舎、そして、20年の開院予定で附属病院(640床)を市内に整備予定だ。

 栃木県大田原市に本校がある同大は1995年開学。四つの附属病院を含む全国10病院と医療福祉施設などをグループ内に抱え、薬剤師、看護師、放射線技師、理学療法士……と、数多くの医療専門職を養成する学部を持つ。医師も自前で育てたいと、医学部設置準備委員会を10年に立ち上げていた。

 副医学部長に就任予定の吉田素文氏は、「全国に先駆けて医療関連職種の連携教育が行われていたが、医学部の参加で飛躍的に前進する」と語る。

 新たな附属病院は、国際空港に近い立地を生かし、外国人観光客の医療ツーリズムを当て込んでいる。

 一方、地元の千葉県は人口当たりの医師数が、埼玉県や茨城県に次いで少ないが、養成した医師の一定割合は千葉県に残る可能性もある。

 国内の医学部定員は、1970年代の医学部新設ラッシュ後、8200人超とピークを迎えた。その後、医師余りの見通しが出て、約7600人まで削減。08年に国公立大学に臨時枠が設けられてから再び定員増に転じ、15年は9134人。07年に比べると1509人増と、医学部15校分増に相当する。ここに2校の新設が加わることになる。

●10年後にらんだ施策を

 そんな政府の動きに対し、日本医師会や全国医学部長病院長会議は、一貫して医学部新設に反対を唱え続けてきた。大きな理由の一つが、医学生の学力低下、そして医療の質低下への懸念だ。

 日本医師会の推計では、25歳人口に占める医師国家試験合格者は、75年で512人に1人だったが、2015年には162人に1人になっている。

 全国医学部長病院長会議相談役で日本私立医科大学協会会長を務める寺野彰氏は、「最大の反対理由は、医学部を新設すると医師数の調整が難しくなること。既設大学の定員増でしのげば、減らすことは容易だが、医学部を潰すことは難しい」と訴える。

 別の国家資格をみても、人数の調整が難しいことがわかる。歯科医余りが起き、歯学部は定員割れにあえいでいる。続々とつくられた法科大学院は、司法試験の合格率が低く、合格しても弁護士業務の広がりは頭打ちという厳しい環境から、募集停止に追い込まれた大学もある。

 加えて、医学部を設立するには、他の学部にない複雑な事情がある。設備などに多大な費用がかかり、そこには税金投入という国民負担も生じる。さらに、医学部を出て一人前の医師になるには、入学から10年はかかるため、速効性はない。

 新設2校には、そんな逆風を乗り越え、「被災地支援」「国際的人材の育成」という存在意義を発揮してもらうことを期待したい。(ジャーナリスト・塚崎朝子)

※AERA 2016年10月3日号


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