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Tohazugatali Medical Review
4253
:
名無しさん
:2014/12/30(火) 22:33:17
産科医不足 「悪循環」を断ち切りたい
2014年12月29日(最終更新 2014年12月29日 10時31分)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/136459
産科医の人数が、10年後の2024年に26府県で減少する‐。
そんな試算を日本産科婦人科学会がまとめた。東京都や大阪府など大都市圏は大きく増加する一方で、石川や福島など11県では10%以上も減少するなど、地域間格差が深刻化するのが特徴だ。
九州では福岡以外の6県で減少し、長崎、大分、宮崎、鹿児島では10%以上減ると予測された。
それだけではない。妊婦の1割は、帝王切開などの緊急的な医療措置が必要になる。高齢出産が増えればリスクも高まる。こうした危険の伴う出産を担うのが全国に約390ある周産期母子医療センターだが、この専門的な施設もまた、産科医不足に伴う地域間格差の拡大が懸念されるという。
安心して出産できる環境を整えることは、少子化対策の観点からも重要だ。このまま座視すれば、地方の人口減少に一段と拍車をかける恐れがある。知恵を絞って有効な手だてを早急に講じたい。
産科医不足の背景にあるのは、当直勤務や深夜の呼び出しなど昼夜を問わない過酷な診療環境だ。
出産が時を選ばない事情を考えれば、やむを得ない側面があるのも事実だろう。激務が続けば職場を去る医師が増え、残るスタッフの負担は増す。そうなると、医療事故の恐れも強まる。少子化などの影響で、産婦人科の将来に不安を抱くことも要因の一つだろう。
問題の核心は、このような悪循環を断ち切れないことにある。
若手医師の減少で産科医の高齢化は進み、訴訟リスクを嫌って出産を取り扱わない婦人科に転身する医師も少なくないという。事態は私たちが思う以上に深刻だ。
国や自治体も、ハイリスク分娩(ぶんべん)への診療報酬の加算や出産事故に対する「産科医療補償制度」の創設、産科の集約化など、さまざまな手を打ってきた。
これらの施策が功を奏して10年度には産婦人科医の新規学会入会者が過去10年で最多となったが、その後は減少している。赤ちゃんの笑顔のために、地域の産科医を確保する取り組みを強めたい。
=2014/12/29付 西日本新聞朝刊=
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