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Tohazugatali Medical Review

357とはずがたり:2007/01/16(火) 03:00:04
>>354-357

偏在を歩く(下)
中核病院にしわ寄せ
http://www.sakigake.jp/p/servlet/member.auth/mc/kikaku/y2007/iryo/iryo_03.jsp
産む場限られ医師負担急増

 1年前に比べ、お産の取扱件数が倍増した病院がある。大館市立総合病院。副診療局長の高橋秀身医師(産婦人科)が自嘲(じちょう)気味に話す。「お産で夜中にたたき起こされる日が続き、辞表を書く姿が夢にまで出てきた」

 一昨年は月平均30件未満だった分娩(ぶんべん)数は、昨年9月から50―60件に増えた。急増した時期は、同じ大館市が運営する扇田病院(旧比内町)の産科休止の時期と重なる。

 扇田病院での年間約500件のお産の多くを、高橋医師ら産婦人科医3人で取り扱うことになったわけだ。里帰り出産を制限しても、お産のない日はほとんどない。2日間で分娩12件を扱ったこともある。月5―7回の当直がこれに加わる。日進月歩の子宮がん治療、かつては守備範囲外だった体外受精…。高橋医師の疲れは、56歳という年齢のせいだけではない。

◇  ◆  ◇

 全国各地で分娩をやめる医療機関が相次ぐ。本県も例外ではない。県医務薬事課によれば、分娩を行う県内医療機関は、平成13年が40施設、18年が31施設。常勤医は54人で、この5年で5人減った。医師1人当たりの分娩数は秋田周辺医療圏の104に対し、大館鹿角医療圏は202。地域偏重も際立つ。

 産科医療の数的危機の要因に「患者の権利意識の高まり」や「飽くなき安全志向」を挙げる医師は多い。この10年で産婦人科の訴訟件数は飛躍的に増え、医療界では「萎縮(いしゅく)医療」という新語が生まれた。医学生はリスクの高い産婦人科を敬遠。心身とも疲弊した中堅勤務医は次々と病院を去った。

 16年に臨床研修医制度が始まり、大学医局は次々医師を引き揚げた。産科休止の扇田病院も、大学から常勤医2人の派遣を受けていた。増え続ける女医は出産や育児で離脱。跡取りのいない有床診療所は1代で閉院し、勤務医の高齢化も進む。

 離島や山間地の「お産難民」が分娩を扱う病院に集中し、大館市立総合病院など地域の中核病院がパンク寸前になる―という図式ができる。

◇  ◆  ◇

 高橋医師らの過酷な勤務を物語るデータがある。扇田病院の産科休止の直前の17年に、同総合病院で分娩した333件のリスク分類だ。

 妊娠中の経過は正常だったのに、分娩時に医療行為を要する「異常」に転じた事例が100件。当初からハイリスクとされたのが181件。経過、分娩とも正常だったのは48件だけだ。

 ハイリスク分娩は拠点病院の同総合病院で。比較的安全性の高い分娩は扇田病院で―。暗黙の上で確立された病院間の役割分担は、一方の産科廃止で崩れた。同総合病院には「質」に加え「量」も課せられた。

 昼夜を問わないお産に備え、当直や自宅待機で縛られる日々。高橋医師は「医療の良心。当院の医師はサラリーマンではない」と自負するが、質量両立には「まだ手探りの状態」と言葉少なだ。医師の自己犠牲と使命感に依存した地域の産科医療は限界に来ている。

2007.1.4付


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