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Tohazugatali Medical Review
2323
:
とはずがたり
:2014/03/12(水) 18:59:32
>>2322-2323
<岡野さん こんな人>
早稲田大理工学部出身。医学と工学が協力する「医工連携」の先駆けだ。
大学1年の時、水は通さないが酸素は通すシリコーン素材の膜で鳥かごを包み、水中に長時間入れても中の鳥が窒息しないという実験映像に驚がくした。この体験をきっかけに、生体に関連する素材開発の道に進んだ。
「20年以上も医学部で研究を続け、医大の教授も務めているのに、周囲からはまだ、工学の研究者だと思われている」とぼやく。医師や工学者といった縦割り意識では、新しい医療はできない――。苦笑いの裏には、そんな思いもにじむ。
◆温度で変化する特殊素材を使用
岡野教授らの細胞シートは、培養方法に独自の工夫を加えたのがポイントだ。
細胞を培養する際、通常は水をはじく物質を敷いた培養皿を使う。細胞表面には、水をはじく物質にくっつくたんぱく質があり、細胞はこのたんぱく質によって培養皿の内側に平面状に、均質に広がって増殖する。
細胞を培養皿から取り出す時、従来はこのたんぱく質を酵素で分解し、細胞を剥がしていた。だが、この方法では、細胞同士がバラバラに分かれてしまう。酵素によって他の重要なたんぱく質も壊れるので、細胞の機能が大幅に低下する。
この難題を解決したのが、温度で水とのなじみやすさが変化する特殊素材を敷いた培養皿だ。この素材は、細胞を培養する温度のセ氏37度付近では水をはじき、同20度に冷やすと逆に水を含む性質がある。培養皿を冷やすだけで、表面のたんぱく質を壊さずに、細胞をシート状に剥がすことに成功した。
同様に、細胞をシート状に培養して治療に用いられているのが、患者の皮膚細胞から作る「培養皮膚」だ。1990年代から重いやけどなどに対して使われ始め、日本では2009年に保険が使えるようになった。培養皮膚は酵素処理をしてもバラバラになりにくく、体に定着しやすいため、実用化が早く進んだとされている。
(2013年12月30日 読売新聞)
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