したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Tohazugatali Medical Review

219小説吉田学校読者:2006/03/30(木) 07:04:22
>>212
判決は、「予見可能性あり、結果回避義務あり」と認定。過失はあるが因果関係が不成立なので無罪としている。
「意識がなかったら、少なくとも単なる裂傷ではないだろう」と予想すべきと判決は言っているように見える。

ポイントは要旨にあるように「頸静脈の切断」が治療できるかどうかにあったようで、検察(被害者)側としては「即対応すれば、治療は可能で延命できていた」ということを立証しなければいけないのですが、脳外科の専門家ではどう捉えるのでしょうか?
あと、民事で有利という論調もあるけれども、「過失による不法行為」は認定されるでしょうが、「生きていれば得るであろう利益」の勝訴は死亡に因果関係がないのでちょっと厳しいのではないでしょうか。管制官無罪の事件とは違う。

東京・割りばし死亡事故:医師無罪 判決(要旨)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060329ddm012040021000c.html
 4歳男児の割りばし死亡事故で28日、医師を無罪とした東京地裁判決の要旨は次の通り。
 ■過失の前提事実など
 過失の前提事実は(1)4歳児の隼三ちゃんが割りばしをくわえたまま転倒して軟口がいに受傷(2)隼三ちゃんはおう吐を繰り返した(3)隼三ちゃんは意識レベルが低下してぐったりした状態だった−−を認定できる。この場合、被告は、考えられる病態の一つとして「割りばしの刺入による頭がい内損傷」を想定すべきである。
 ところが被告は、本件は軟口がいの単なる裂傷にすぎないと軽信し、傷口に消毒薬等を塗布し、抗生剤等を処方しただけで帰宅させてしまったもので、結果回避措置を講ずることもなかった。
 ■カルテについて
 カルテのうち「意識レベルの低下、出血の増強した時には再度来院を指示」「髄膜炎の可能性もあるので抗生物質を投与」「ハシはすでにぬけていたため深さについては不明」「救急車にて来院 開口命令に対し開口O.K.」「意識レベル1−2と思われる」「髄膜刺激症状なし」の各記載については、被告が隼三ちゃんの死亡後に書き加えたものと認めた。理由は、被告は隼三ちゃんが診察の翌朝に急逝したことに動転するとともに、前日に隼三ちゃんの意識状態を正しく把握することなく軽症と診断して帰宅させた点に落ち度があったことを自覚し、取り繕おうとしたことによるものと認めた。
 ■結果回避可能性と因果関係
 隼三ちゃんの死亡は、割りばしの左頸(けい)静脈孔嵌入(かんにゅう)により頸静脈が穿通(せんつう)され、左頸静脈洞内に血栓が形成されて左頸静脈が完全に閉塞(へいそく)したが、他のルートで静脈還流を完全に処理することができなかったため、致命的な静脈還流障害が生じたことによるがい然性が高い。
 そうすると、割りばし片により挫滅した左頸静脈を再建することが隼三ちゃんの死を回避する唯一の措置であるところ、仮に被告が隼三ちゃんを直ちに脳神経外科医に引き継いでいたとしても、左頸静脈を再建することは技術的・時間的にみて極めて困難であったと認められる。
 従って、隼三ちゃんの救命可能性はもとより、延命可能性も極めて低かったとの合理的疑いが残るというべきである。
 ■結論
 被告には予見義務や結果回避義務を怠った過失があるというべきであるが、過失と死亡との間の因果関係の存在については合理的な疑いが残るので、被告は、本件業務上過失致死事件について無罪である。

毎日新聞 2006年3月29日 東京朝刊


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板