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Tohazugatali Medical Review

1790名無しさん:2012/09/02(日) 22:32:15
『統合失調症の回復とはどういうことか』 「本気」の医師の日常2012年9月2日

『統合失調症の回復とはどういうことか』横田泉著 日本評論社・2000円

 私は今から4年半前、60歳で外科から精神科に転向した。研修医として就職した先が著者・横田医師の勤務するオリブ山病院であったが、1カ月もしないうちに驚くべき光景に遭遇した。
 診察室から男の罵声が聞こえる。開けっ放しのドアからのぞき見すると、背を壁にもたれて座った中年の男が、両足を左右に投げ出している。男の前に白衣姿の著者が正座し、「お願いします」と頭を下げ、なにやら懇願している。まるでヤクザに脅されているように見えた。怒鳴っていた男(患者)の方があきらめたのか「(薬を)飲めばいいんだろう!飲めば!」と悪態をつく。瞬間、著者は「ありがとうございます」と一言発し、「それではこちらの椅子にどうぞ」と患者用椅子を指示した。10秒後には元の医師と患者の立ち位置に戻っていた。カルチャーショックであった。
 著者は30年も統合失調症を中心に精神科をやってきた。“患者に寄り添って聴く”患者の何気ない言葉や態度での発信(表現)が何を意味するか、その原点はどこかを探る、精神科医が常に保つべき姿勢を声高でなくつづる。「(患者の)怒りの標的になりつつもこれに“報復しないこと”や、不信・拒絶が続いても患者と向き合い関係を修復しようとする治療者の意欲を維持することが必要とされる」。内科や外科の医師と違う精神科医の根本的な資質である。私はまだ獲得できてない。
 彼は言う「統合失調症の症状は、外科手術のように切り取って治すべき悪いものだけではない。時には症状の中に、その人の深い思いや切実さ、理想、希望などが読み取れる」。具体的な症例で提示してくれてもいる。昼食もほとんど毎日患者と共に取り、歓談でひと時を過ごす。
 患者は“医師の本気度を見透かす鋭い観察者”であるので、短い時間でも“本気度が試される”。一般の人には“外科医物語”と比べ理解しにくいかもしれない。しかし精神科医師および関連施設で働く人にはぜひ読んでほしい一冊である。
 (仲里尚実・精神科医師)
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よこた・みつる 1957年兵庫県生まれ。光愛病院、済生会泉尾病院を経て現在、那覇市のオリブ山病院副院長。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-196426-storytopic-6.html


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