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Tohazugatali Medical Review

1735荷主研究者:2012/06/03(日) 13:53:58

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120523t15012.htm
2012年05月23日水曜日 河北新報
PTSD関与 脳の部位を特定 東北大グループ

 東北大加齢医学研究所の川島隆太教授(脳機能開発分野)と関口敦博士研究員(心療内科)の研究グループは、東日本大震災前後の健康な大学生の脳画像を解析し、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を示した学生だけが、特定の脳部位の体積が減少したことを突き止めた。これまでPTSDを発症した人は、脳のさまざまな部位が萎縮すると知られていたが、ストレスとの因果関係は不明だった。成果は、PTSDの予防や早期発見への応用が期待されるという。

 東日本大震災では、津波などで生命の危機にさらされなかった内陸部の市民にも、ライフラインの寸断や余震、福島第1原発事故に伴う放射性物質の拡散が、強いストレスを与えた。

 同研究所は、2008年から健康な東北大生を対象に脳研究を行い、磁気共鳴画像装置(MRI)画像をデータベース化している。

 グループは震災から3〜4カ月後、仙台市周辺に住み、被災程度が軽かった学生42人の脳画像の再計測とPTSD症状の診察を実施。PTSD患者と診断された学生はいなかったが、PTSDの初期症状を示した5人の脳画像を解析した。

 その結果、5人とも震災前に比べ、恐怖や不安の処理に関与する「右前帯状皮質」が萎縮していたほか、感情の制御、恐怖の消去に関与する「左眼窩(がんか)前頭皮質」が減少しており、これらの部位の機能不全が、PTSD症状と関連していることが分かった。

 川島教授は「PTSDになりやすい原因として前帯状皮質の萎縮、PTSDの結果として眼窩前頭皮質の減少が認められた。被災3県で同様の現象が起きた可能性が高い。復興の担い手となる都市部の青年のメンタルケアに生かしたい」と話している。

 [PTSD] 生命の危険を伴う強い恐怖体験の記憶がトラウマ(心的外傷)となり、時間がたってからも突然記憶がよみがえり、パニックになる、不眠や過剰な警戒心などの症状を示す精神的後遺症。一時的な変調ではなく、症状が1カ月以上続く場合が診断対象となる。


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