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Tohazugatali Medical Review
1483
:
荷主研究者
:2011/02/06(日) 11:23:55
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110118/CK2011011802000131.html
2011年1月18日 中日新聞
「てんかん治療」患者の負担軽減 静岡大研究グループが開発
山川俊貴助教
静岡大工学部の山川俊貴助教(29)らの研究グループが、薬の効かない難治性てんかんの患者に対する新しい診断・治療技術を開発し、今年中にも臨床実験に入る。現在有効とされる手術は頭部を大きく開ける必要があるが、新技術はごく小さな穴で済み、患者の負担を大幅に軽減。薬で発作を抑えている患者にも応用でき、突然の発作に対する不安を抱える患者や家族には朗報になりそうだ。 (報道部・宮沢輝明)
このグループは山川助教のほか九州工業大(福岡県)と山口大医学部(山口県)でつくる先進てんかん治療開発共同体(CADET)。
山川助教によると、てんかんは、脳細胞が異常につながることなどによって、一領域が異常に興奮し発作が起きる。薬で興奮を抑えられるが、治癒は難しい。
難治性てんかんの治癒には、脳内でてんかんの元となっている「てんかん焦点」と呼ばれる部位を取り除く外科手術が有効とされる。現在は、頭蓋骨を開けて脳から直接、脳波を測定し、てんかん焦点の位置を特定してから切除している。
しかし、頭蓋骨を大きく開けるため、患者への負担が大きいのが難点だ。
山川助教らが開発した技術を使えば、頭蓋骨に開ける穴は直径5ミリ程度で済む。この穴から、脳波測定用のセンサーを取り付けたミシン糸より細い形状記憶合金を、脳と、脳を包んでいる硬膜の間に滑り込ませて脳波を測定する。形状記憶合金の特性を生かし、電流で加熱させ、脳内で測定に適した形状に変化させる。
形状記憶合金は常温では非常に柔らかいので、脳を傷つけにくい。既にサルを使った実験で成功している。
手術もこの穴を使用。細い管を通しててんかん焦点を凍らせるか、レーザーで焼き切る。5ミリ程度の穴は術後、自然治癒するので、患者の危険度は格段に下がる長所がある。
CADETは、装置や技術の安全性、対象患者について協議中。てんかんの患者は世界に約5000万人おり、薬が効かない患者はこのうち3割強。山川助教は「将来、多くの患者を救える技術」としている。
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