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Tohazugatali Medical Review
1466
:
荷主研究者
:2010/12/18(土) 16:41:30
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/12/20101207t15015.htm
2010年12月07日火曜日 河北新報
口腔細菌が99%以上死滅 過酸化水素の生成物質で効果
東北大大学院歯学研究科の菅野太郎助教らの研究グループは、過酸化水素にレーザーを照射し生成させた「フリーラジカル」と呼ばれる物質で、歯周病など口腔(こうくう)感染症の原因細菌の99.99%以上を3分以内に死滅させられることを確認した。2011年度以降の臨床研究に向け、精密機器製造のリコー光学(花巻市)などと進める新治療器開発に弾みがつきそうだ。
研究グループによると、過酸化水素とレーザー光で生成したフリーラジカルの殺菌効果を定量的に把握できた例はないという。不安定な電子を持つフリーラジカルは、ほかの物質から電子を奪って酸化する力が強い。
実験は、歯周病や虫歯などの原因となる4種類の細菌を過酸化水素水とそれぞれ混ぜ、レーザーを当てた。虫歯の病原細菌については培養して作ったバイオフィルム(生物膜)への実験も行い、病原細菌が形成する歯垢(しこう)への効果も試した。
いずれも実際の治療時間として想定する3分以内に99.99%以上が死滅し、一定量のフリーラジカル生成で十分に殺菌できた。
現在の治療は歯垢などを器具ではぎ取るのが一般的で、深い部位には器具が届かなかった。実験で使った過酸化水素水は通常の消毒液レベルの濃度で、新技術を使えば安全かつ有効に治療できる可能性が高まった。
実用化を目指す新治療器は、過酸化水素ベースの薬剤を噴霧するとともに、副作用が小さい可視光のレーザーを照射し、フリーラジカルを局所的に発生させる。東北大などの共同研究体が09年度から経済産業省の委託事業を活用し試作中。10年度中にも米国で動物実験を始め、治療効果などを確認し、11年度にも臨床研究に移りたい考えだ。
菅野助教は「薬剤が効きにくいバイオフィルムを殺菌できる意義は大きく、予防医療での応用可能性もある。東北発の新しい治療器の実用化につなげたい」と話す。
試験結果は米国の代表的薬学専門誌「アンチマイクロバイアル・エージェンツ・アンド・ケモセラピー」12月号に掲載された。
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