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Tohazugatali Medical Review

1088とはずがたり:2009/08/30(日) 01:31:35

現場を歩く・09総選挙(2) 地域医療
http://mytown.asahi.com/tokushima/news.php?k_id=37000000908270001
2009年08月27日

 1人の若い医師が、三好市内を町へ山へと走り回っている。昨年4月、市立の西祖谷山村診療所の所長になった川下陽一郎医師(30)は、外科医として県立三好病院の応援診療もこなす。地域医療を担う診療所と三好病院の両方を存続させるための、苦肉の策だ。

     ◇

 朝8時半。山あいの診療所にある二つの長いすは、順番待ちの患者でいっぱいだ。一日に約130人が受診する。「足と腰が痛い」「血圧が上がる」。高齢化率44%(7月末現在)の西祖谷山村地区では患者の多くが高齢者だ。

 診療所から車で5分の所に住む吉岡タミコさん(89)は2週間前に気分が悪くなり、診療所で点滴を受けた。

 「調子はどうですか?」

 川下医師は、薬の副作用や家族構成などを、時々手を握りながら尋ねた。診察は10分ほどで終わったが、待ち時間を含めると2時間以上たっていた。それでも、吉岡さんは「(04年に)診療所ができるまでは、三好病院まで1日がかりだった。近くで助かる」と話す。

 独り暮らしの女性(81)は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で足腰が痛み、点滴を受けるため毎週通う。往復3千円のタクシー代がかかるが、「先生がいなかったら、ここで暮らせん」。

 診察時間が終わった後も、患者からの相談で、川下医師の携帯電話が鳴る。必要なら、往診もする。三好市池田町の自宅から診療所までは、車で約50分。三好病院の救急患者に対応するため、病院近くに住んでいる。

 三好病院へ行くのは週2回。その間は、病院から別の医師が診療所に派遣される。川下医師にとっては、診療所でできない高度な医療行為は三好病院で行い、その後は診療所で診ることもできる。「三好病院とつながっていることを診療所の強みにしたい」と川下医師は言う。

     ◇

 三好病院の医師不足は深刻だ。07年春からの1年間で、33人から25人に減った。当然、残された医師の負担は増える。5人いた外科医も一時は2人に。川下医師と、他病院からの応援が頼りだ。

 04年度からの新臨床研修制度で、それまでは大学の医局が決めていた研修先を、研修医自身が決められるようになった。このため、主に大都市圏へ研修医が流出。県内の公立病院はほぼ100%、徳島大学病院から医師が派遣されていたが、難しくなった。

 「研修制度の見直しが必要。『この地域に三好病院はなくてはならない』という医師の思いだけで踏ん張っている」。自らも執刀している余喜多(よぎた)史郎院長が言った。

     ◇

 721平方キロメートルと県内最大の三好市。中心部には開業医がいるが、人がまばらな山間部にはほとんどいない。後継者がおらず廃院が相次ぎ、無医地区もできている。

 危機感をもった市は昨年4月、新たに担当職員を2人置いた。大学病院に医師派遣を働きかけ、現場を知ってもらうため医学生を呼び、三好病院と開業医の連携の後押しもする。だが、先は見えない。

 医師が減り続ければ、患者を徳島市や県外に搬送したり、山間部の診療所を閉鎖したりする事態になるかもしれない――。心配する県医療政策課の担当者は「研修制度のしわ寄せがへき地に出てきているのは事実。県が自前で医師を確保できるよう努めなければ」と話した。

(三輪さち子)


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