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Tohazugatali Medical Review
1082
:
とはずがたり
:2009/08/15(土) 16:25:56
争点を追う:09衆院選/8止 地域医療 /奈良
◇公的7病院で産科休診 慢性的な人手不足「365日、1人では無理」
http://mainichi.jp/select/seiji/09shuinsen/area/29/archive/news/2009/08/20090813ddlk29010328000c.html
昨年2月、桜井市の済生会中和病院に県立医大から一通の通知が届いた。「産婦人科医を県立三室病院(三郷町)に異動させる。後任人事はない」という内容だった。当時、同病院の常勤産婦人科医は2人。「24時間365日呼び出される産科は、とても1人では務まらない。休診せざるを得なかった」。杉本勉・総務課長(当時)は振り返る。
県立医大は、県内の病院に医師を派遣している。異動は、三室病院の医師を別の病院に異動させたことによる玉突きだった。中和病院は昨年4月から産科を休診し、残った1人で婦人科だけを継続する。再開のめどは立たず、産科の診察室は現在、女性外来用に改造している。
三室病院も常勤産科医は、異動した医師を含め2人だけだったが、今年3月、もう1人の医師が開業のため退職し、4月から休診に追い込まれた。2病院で取り扱う分べん数は年間約300件。特に中和病院のある中南和地域は、出産に対応できる病院が少なく、影響が大きい。
1人の医師の異動や退職が休診につながる不安定な状態。05年以降、町立大淀病院や県立五條病院など七つの公的病院で産科の休診が相次いだ。厚生労働省によると、県内の産婦人科医数は02年の99人から06年は87人に減少。人口10万人当たり6・2人で全国平均を下回る。
県内で受け入れ可能な分べん数は昨年1万2144人で、出生数を1164人上回るため、県は「産科医が足りないわけではない」と強調する。ただ、民間の産科病院長は「公的病院には分べんだけでなく、産科の2次3次救急の役割がある。それを果たしていないことも問題だ」と指摘する。
◇
県は08年5月、県立医大病院(橿原市)に、高度な母子医療を提供する総合周産期母子医療センターを整備した。しかし、新生児集中治療室(NICU)の31床のうち、運用しているのは25床にとどまる。県立奈良病院(奈良市)では、今年4月から69床が休床になった。いずれも看護師不足が原因だ。慢性的な人手不足で、地域医療の現場は危機にひんしている。【阿部亮介】(おわり)
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■ことば
◇医師・看護師不足
04年度から始まった臨床研修制度の影響が大きい。従来、新人医師の大半は出身の大学病院で研修したが、研修先を選べるようになり、大都市に集中する傾向が強くなった。このため、大学の医局に医師派遣を頼っていた地方の病院が影響を受けた。看護師は、過酷な勤務に加え、06年度から手厚い看護に対する診療報酬が引き上げられたことが一因。都市部の大病院に地方の新卒看護師が流れ、地方の病院は確保が難しくなった。
毎日新聞 2009年8月13日 地方版
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