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電力・発電・原子力スレ

5582とはずがたり:2019/09/10(火) 18:28:38
>>5580

 これは福島第一の地震と津波による被災をほぼ正確に予見していたにもかかわらず、コストダウンのために握りつぶし、結果として福島核災害を引き起こした東電と政府の過去の行為と何も変わりません。

…ALPS処理水とSr処理水のタンク容量の推移の実績と予測…から,2年後にはALPS処理水は130万トン、トリチウムの全放射能量は1.3PBq(ペタ=千兆)と見積もられます。

 福島第一原子力発電所は、事故前にはトリチウムを年間で2TBq(テラ=1兆)放出していましたので、通常運転時の500年分のトリチウムがタンクの中に存在することになります。…現在も事実上の目安とされている福島第一の事故前のトリチウム放出管理目標値は、22TBqでしたので、この管理目標を遵守すると…環境放出には…30〜40年かかることになります。

 国と東電は、7年間で海洋放出を完了するつもりですので、これもつじつまが合いません。

 結局、ALPS処理水を事故前の環境放出基準を遵守して海洋放出する場合、40年程度の期間を要し、結局今の小型タンクでは耐久性や管理の煩雑さから維持できなくなると考えられます。

 トリチウム放出管理目標値を変更するのならば、それは別に審査と市民による合意の手続きを経ねばなりません。また、放射性物質を生産を行わない陸上施設から海洋に放出しますので、ロンドン条約との整合性をとる必要があり、条約締結国からの合意を得る必要があるでしょう。この環境基準を大きく緩和するという手続きについて政府、東電はたいへんに軽く見込んでいると思われます。過去の公害、鉱毒などによる環境破壊と被害の歴史を省みれば、とても考えられない行為です。

 もっとも、PWR発電所では、年間200TBq前後のトリチウム放出管理目標値を設定していますので、正規の手続きを経て市民の合意を得るのならば、トリチウム放出管理目標値の変更は不可能ではありません。…

… トリチウムを水から分離する技術をカナダが実用化していますが、処理速度がALPS処理水の増加速度に比して一桁から二桁遅く、焼け石に水です。

 現状では、現実的な方策は、石油備蓄基地に準じた大型タンクによる長期保管か、海洋放出しかないと考えられます。…120年保管するとトリチウムの濃度は1000Bq/Lに、240年間の保管で1Bq/Lになりますので、この時点で天然の雨水とほぼ同濃度になります。

 長期保管は、維持費、建て替え費(式年遷宮のように定期的に新しいタンクに詰め替える)を含めて240年間で2000〜4000億円程度ですから、不可能な費用ではありません。良いことずくめのようにも感じられますが、石油備蓄基地と違い、経済的に無価値なものを100年単位という世代間管理をすることが可能であるかという問題があります。これは見落としがちですが、合衆国のハンフォードや英国のセラフィールドで世代間管理されている核廃棄物は、50年で著しく管理状態が劣化しており、一部はたいへんに危険な状態に陥っています。わたしは楽観視できないと考えています。

一方で、海洋放出も国と東電が見込む7年での完了は困難で、やはり大型恒久タンクで安全に保管しながら25〜50年ほどで環境汚染防止を最優先に行うことになると考えられます。また放出作業に伴う職員の被曝防止、放射線防護の費用は予想外に嵩むと考えられ、国と東電が見込むような格安での処理は、公害防止と放射線防護に常識的に留意すれば不可能でしょう。私は5百〜1千億円程度は見込む必要があると考えています。

 なお、どちらの方法も7号炉、8号炉建設予定地の敷地面積を活用してやりくりできるでしょう。

 この「トリチウム水」=ALPS処理水問題の本質は公害です。公害対策を最優先にすることを考えれば安易に格安な手法を選べば却って高くつきます。市民の合意を得るにしても原子力PAのような卑劣な手法は論外です。


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