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電力・発電・原子力スレ

4411とはずがたり:2017/09/17(日) 19:40:11
>>4409-4411
 しかし、英国ではヒンクリー・ポイントC原発の工事は、工費が増えたにもかかわらず、予定通り進んでいる。VCサマーと何が違うのだろうか。

原発建設にはリスクの抑制が必要

 エネルギー資源に恵まれた米国の電気料金は、先進国一競争力がある。米国の家庭用電気料金は1kWh当たり約13セントだ。欧州の中では競争力のある英国の家庭用電気料金は米セント換算で約22セントだ。米国より70%ほど高い。英国は石炭の大半、天然ガスの半分を輸入しているためだ。

 電気料金が高いため、米国との比較では収入は多くなり、国によるコストの違いがあまり大きくない原発は有利だ。しかし、先述の通り将来の化石燃料価格、火力発電のコストは不透明であり、やはり投資のリスクはある。電気料金の安定化、温暖化対策、安全保障上原発が必要と考えた英国政府は、事業者の収入減のリスクを回避するため、ヒンクリー・ポイントCの事業主体であるEDFとCGNに対し、発電された電気を35年間にわたり1kWh当たり日本円換算約13円で買い取ることを保証した。

 320万kWの能力のヒンクリー・ポイントCの投資額は181億ポンド(約2兆6000億円)、完成予定は2025年だ。最近になり、EDFは投資額が15億ポンド増え、総額196億ポンド(約2兆8000億円)になり、さらに工期が15カ月、工費が7億ポンド増え200億ポンドを超える可能性があるとも発表した。

 EDFによると当初見込みのIRRは9%、工費が196億ポンドに増加した場合のIRRは8.5%、さらに200億ポンドを超えた場合でもIRRは8.2%だ。発電設備のようなインフラに対する投資としてのIRRはかなり高い。この高いIRRは発電された電気の買取りが保証されているため達成可能だ。運転期間中の買い取り総額は1150億ポンド(約16兆円)、年率2%のインフレ前提では1600億ポンド(約23兆円)との試算も報道されている。多少工費が増えても、収益性に大きな影響がないレベルの収入額と言える。もちろん、原発を建設するリスクはEDFとCGNが引き受けているが、ともに政府系の企業だ。

どうする日本 政策は?

 日本の2030年の電源構成案の見直しが開始されたが、現行の案では温暖化対策の必要もあり、原発の比率は20%から22%となっている。原発の建て替え、あるいは新設が必要だが、将来の化石燃料価格、各電源の競争力が不透明な自由化された市場で、原発の建設を行う事業者はいるのだろうか。

 国際エネルギー機関によると、温暖化対策を行うため2060年の世界の原発の発電量は現在の3倍になる必要がある。日本企業が依然として競争優位を持つ原発技術に大きな需要が期待される。国内において原発建設のリスクをどう抑制するのか、大きな市場になる海外の電力市場での競争力をどのように強化するのか、制度の検討が早急に必要だろう。このままでは、海外の原発市場は仏、ロシア、中国、韓国の政府系企業の独壇場になる可能性がある。ひょっとすると、日本の原発建設を中国、韓国企業が引き受けることになるかもしれない。


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