現在のところ新設する火力発電設備の対策だけが明確になっている。2030年度のエネルギーミックスの目標では石炭火力が全体の26%、LNG(液化天然ガス)火力が27%を占める。政府は石炭火力の平均水準を現在の最高レベルの発電方式である「USC:超々臨界圧(Ultra Super Critical)」並みに引き上げる方針を打ち出した(図3)。
この方針に従って、新設する石炭火力はUSC以上の効率を発揮する設備に制限する。同様にLNG火力は発電効率が50%以上のコンバインドサイクル(複合発電)を標準に設定する考えだ(図4)。火力発電設備を新設する場合のガイドラインは「BAT(Best Available Technology、最新鋭の発電技術の商用化及び開発状況)」で決まっている。今後はBATの基準に見合わない発電設備は新設できなくなる。