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:2023/10/15(日) 22:24:49
https://news.yahoo.co.jp/articles/45c2286ed476a134ddce4f0192e694db58e3bb8d
イスラエル南部、相次ぐ空襲警報 「息詰まりそう」
10/15(日) 16:15配信
産経新聞
空襲警報が鳴り、シェルターに避難した住民たち=14日、イスラエル南部アシュケロン(佐藤貴生撮影)
イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザにほど近いイスラエル南部には、ハマスのロケット弾が今も頻繁に撃ち込まれて住民生活のマヒ状態が続く。大規模戦闘開始から14日で1週間。イスラエル軍が本格的な地上侵攻を行えば戦闘の長期化は避けられず、住民の表情には疲労感もにじんでいた。
【写真】ハマスロケット弾をイスラエルの防空システム「アイアンドーム」が迎撃し、落下した残骸を示す住民
アシュケロンの街は、ガザとの境界から北に十数キロしか離れていない。訪れたのはユダヤ教の安息日の14日昼で、まばらだが人影もあった。
市街地に着いて車を降りた直後に空襲警報が鳴り、近くにあったシェルターに10人ほどの住民と飛び込んだ。みな行動が機敏で慣れた様子だ。爆発音がして外の空を見上げると、白煙が舞っていた。イスラエルの防空システム「アイアンドーム」がハマスのロケット弾を迎撃したようだ。
警報がやみ、同じシェルターにいた運送業のアブラハムさん(50)と息子や娘4人に話を聞いた。子供たちは「ハマスはテロリスト。強力な反撃を行うべきだ」などと叫んだ。妻は攻撃を怖がって屋外に出たがらないという。
市街にはロケット弾や迎撃ミサイルの残骸が多数落ちていたが、建物にロケット弾が落ちた跡はあまりない。アブラハムさんは「防空システムはよく機能している」とした上で、「被害が拡大したのはロケット弾ではなく、奇襲作戦で侵入したハマスの戦闘員のせいだ。政府も軍もだまされた」と話した。
アブラハムさんは住民生活に欠かせない卵を商店に運んでおり、大規模戦闘の開始後も毎日、車のハンドルを握っている。「人々に配る水のボトルを積んで出発し、警報が鳴るとトラックの下に隠れたりして仕事をこなす」と話した。
「もう1週間も家にいて、息が詰まりそうになる」。アブラハムさんの娘で高校教員のノイさん(22)がため息をついた。戦闘開始後は休校が続いている。
アシュケロンに滞在した約1時間に約20回の爆発音を聞いた。シェルター内にいても体が震えるような衝撃も感じた。
14日にはアシュケロンに先立ち、ガザに近い南部スデロトを訪れた。市街には軍兵士以外の姿はほとんどなく、ゴーストタウンそのものだった。スデロトでは戦闘が始まった7日、ハマス戦闘員が侵入して多数の住民を殺害したり、治安部隊と銃撃戦を展開したりし、多数の遺体が発見された。
住民の9割は避難したといわれるなか、居残っていたムハンマドさん(35)は「最初はロケット弾が10分おきに飛んできた。警報が鳴らないこともあり、みな怖くなって逃げたのでは」と話した。約1時間の滞在中に遺体は目撃しなかったが、警報は何度も鳴り、爆発音やドローンの飛行音を聞いた。
案内してくれたテルアビブの男性(52)は、警報が鳴り始めてから安全な場所に身を隠すまでの時間は、「西部の都市テルアビブなら1分半、アシュケロンなら30秒、スデロトなら20秒以内だ」といった。ガザからの距離が短くなるにつれ、着弾までの時間が短くなるという意味だ。
テルアビブなどに比べ、南部では道路わきに多数のシェルターが立っており、緊迫の度合いも全く異なることを実感した。(イスラエル南部アシュケロン 佐藤貴生)
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