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敵対していた地域大国、サウジとイラン急接近…影響力低下の米に代わり中国の姿
6/18(日) 22:43配信
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コメント24件
読売新聞オンライン
(写真:読売新聞)
【テヘラン=吉形祐司】サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相は17日、国交正常化に合意したイランの首都テヘランを訪れ、同国のホセイン・アブドラヒアン外相やエブラヒム・ライシ大統領と会談した。両外相は共同記者会見で地域安全保障の重要性を強調し、協力関係を強化する方針を表明した。
【写真】北京で会談した中国外交トップの王毅共産党政治局員と、イラン、サウジアラビア両国の政府高官
サウジ外相のイラン訪問は、両国が断交状態となった2016年以降では初めて。ファルハン氏は会見で「地域安保、特に海上航行で、両国と域内各国の協力が重要だ」と述べた。アブドラヒアン氏も同様の見解を示し、「安保は軍国主義と同じではなく、政治や文化、社会、経済、貿易面も含めて幅広くとらえたい」と包括的な協力を目指す意向を明らかにした。
イランは今月、産油国が集中するペルシャ湾の出入り口で、原油輸送の大動脈でもあるホルムズ海峡の安保について、域内各国で新たな枠組みを構築する計画を発表した。サウジのほかアラブ首長国連邦(UAE)やカタール、バーレーン、イラクなどが参加するとしている。
ホルムズ海峡の海洋安保は2019年以降、米国が主導して多国間の取り組みを進めてきた。しかし、18年のサウジ人記者殺害事件で、バイデン米政権がサウジのムハンマド皇太子の関与を認定する報告書を21年に公表したことでサウジとの関係が悪化し、域内への米国の影響力が低下した。一方、敵対していた域内大国のサウジとイランが急接近し、同海峡周辺の安保環境は変化しつつある。
米国の制裁下にあるイランは中国やロシアとの関係緊密化を進めており、3国の海軍は19年以降、ホルムズ海峡近海で合同演習を行っている。特に中国は、イランとサウジの国交正常化を仲介した経緯がある。同海峡の安保を巡っても、原油の最大需要国として利害のからむ中国が今後、関与を強める可能性がある。
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