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OS5
:2023/03/08(水) 21:33:38
https://www.tokyo-np.co.jp/article/234968
トルコ・シリア大地震1カ月 被災者支援に地域差 シリア反体制支配地域に物資届かず…
2023年3月6日 19時39分
2日、シリア北西部イドリブ県で、テントを組み立てるシリア民間防衛隊メンバー。テントは圧倒的に不足しているという(同隊提供)
2日、シリア北西部イドリブ県で、テントを組み立てるシリア民間防衛隊メンバー。テントは圧倒的に不足しているという(同隊提供)
【カイロ=蜘手美鶴】トルコ・シリア大地震は6日、発生から1カ月を迎えた。6700人以上が死亡した内戦下のシリアでは、政府支配地域に支援物資が届く一方、敵対する反体制派支配地域では被災者のテントや食料も不足する。医療支援は遅れ、コレラがまん延して死者が出るなど、衛生状態も悪化している。
「医療支援が今すぐ必要だ。飲料水や子どものミルク、医薬品など1カ月たっても足りない」。北西部イドリブで救助活動をする市民組織「シリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ)」のアフマド・ヤズジさん(37)が取材にこう訴えた。
2日、シリア北西部イドリブ県で、救護テントに医薬品を運び込むシリア民間防衛隊メンバー(同隊提供)
2日、シリア北西部イドリブ県で、救護テントに医薬品を運び込むシリア民間防衛隊メンバー(同隊提供)
イドリブは反体制派の地域で、国際支援が入りづらい場所の一つ。病院はけが人であふれ、テントも不足し、被災者は半壊した建物や木の下に身を寄せる。震災後の衛生状況が劣悪で、2月にはコレラで少なくとも2人が死亡。乳幼児への感染拡大が懸念されている。
北部アザズでは食料が不足し、業者が高値で販売している。テントも購入するしかなく、モハンマド・ティジーンさん(40)は「お金が無い人はテントも食料も買えない」と嘆いた。
一方、政府地域ではアラブ諸国などから支援物資が届く。北部アレッポでは学校やモスクが避難所として開放され、内部にはマットレスや毛布も完備。西部ラタキアでは政府が仮設住宅の建設計画を進める。ラタキアの自営業ワシーム・バラカットさん(38)は「食料や水も十分にあり、物資には困っていない」と話す。
2日、シリア北西部イドリブ県で、がれきを片付けるシリア民間防衛隊メンバー(同隊提供)
2日、シリア北西部イドリブ県で、がれきを片付けるシリア民間防衛隊メンバー(同隊提供)
2011年から内戦が続くシリアは、政府地域と反体制派地域、クルド人地域に大きく分断。震災の死者数も政府と反体制派がそれぞれ発表するなど、全体の被害把握が難しいのが実情だ。アサド政権は反体制派地域に国際支援が入るのを嫌がり、地域ごとに支援の差が生まれている。
シリア人権監視団(ロンドン)のラミ・アブドルラフマン所長は、本紙の取材に「政治的安定が無い限り、被災者支援も復興も進まない。国際社会はまず、復興には内戦終結が必要であると理解しなければならない」と訴えた。
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