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チバQ
:2022/10/17(月) 20:03:57
https://news.yahoo.co.jp/articles/12e2132e78b7424a59cb256c64cf4c348da00777
イランデモ拡大、体制揺らす 死者200人超
10/17(月) 18:12配信
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産経新聞
【カイロ=佐藤貴生】イランでマフサ・アミニさん(22)が頭髪を覆うスカーフ「ヘジャブ」を適切に着用していないとして警察に拘束され、不審死を遂げたことに抗議するデモが始まって17日で1カ月。デモは社会各層へと拡大し、収束する兆しはない。イスラム教シーア派の政教一致体制の正当性は傷つき、崩壊に向けて歩み始めたとの見方も出ている。
ロイター通信によるとデモは16日も各地で行われ、交流サイト(SNS)に投稿された動画では、首都のテヘラン大学の学生らが「イランは巨大な刑務所になった」と政府を非難した。15日には政治犯も収容するテヘラン北部の刑務所で8人が死亡、60人以上が負傷する火災が起き、社会の混乱が深まっている。
政府がインターネット接続を規制するなか、デモはヘジャブを燃やすなどして女性が主導してきた。女子高では生徒たちが初代最高指導者ホメイニ師らの写真を踏みつけ、来校した軍関係者に「出ていけ」と叫ぶなど臆する様子はない。治安部隊との衝突で死者は200人を超えたとされる。
アミニさんは9月13日、ヘジャブで頭髪をきちんと覆っていないとして首都テヘランで服装を取り締まる「風紀警察」に拘束され、同16日に死亡した。警察は心臓発作が原因だとしたが、父親らが警察に暴行された疑いがあると主張し、翌17日にデモが始まった。
イラン政府はイスラム教の教えに基づいて女性にヘジャブ着用を義務付けている。アミニさんの不審死が引き金となり、国民の自由を抑圧する政府への反発が噴き出した。デモはアバダンなどペルシャ湾岸の石油施設でも起き、ラフサンジャニ元大統領の娘や有名俳優も批判に加わっている。
アミニさんは人口の1割を占める少数民族クルド人で、出身地の西部クルディスタン州のデモは最大規模に膨れ上がった。ロイターによると、政府は忠誠を誓う民兵組織「バシジ」のメンバーを同州に投入、一般人や民家に実弾を発射している。
イランのように女性の服装を厳格に規定する国はイスラム圏でも少ない。そのうちの一つで原理主義勢力タリバンが実効支配するアフガニスタンの首都カブールでは9月末、約30人の女性が、イラン国内のデモ隊と同じ「女性、命、自由」とのスローガンを叫んで、共闘をアピールした。タリバンは女性に上半身を覆い隠す衣装「ブルカ」の着用を強制し、女性への教育を制限している。
イラン最高指導者ハメネイ師は今月14日、1979年に成立したイスラム革命体制を「巨大な樹木」にたとえ、「倒しうると考えるべきではない」と述べて自信を示した。ただ、頻繁に起きる大規模デモが「(政府の)正当性を一枚ずつ引きはがしてきた」(米紙ニューヨーク・タイムズ)ことも事実だ。
国際関係に詳しいカイロの評論家ハニ・ソリマン氏(39)は産経新聞の取材に「イラン政府は(最高指導者直属の)革命防衛隊やバシジを擁し、デモに対抗する余力がある。デモ隊には指導者がおらず、体制が短期間に崩壊することはない」としながらも、女子高生も加わるなど抗議は過去にない広がりをみせているとし、「体制崩壊の問題が現実味を帯びてきた」と述べた。
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