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スーフィズムに関するHP
3556
:
チバQ
:2022/07/25(月) 14:17:11
「ヘジャブ」と「ニカブ」の違いについて勧善懲悪省の報道官にしつこく問いただすと、最後には「ニカブ、ニカブ、ニカブを着用せよ」と話した。ニカブは、アラブ諸国発祥のかぶり物で、もともとアフガニスタンの文化にはないものだ。アフガニスタンのヘジャブは、大判のスカーフを体の線が隠れるように頭からまとうスタイル。イスラム教のあらゆる聖典にも「ニカブ」という記述はない。タリバンが男性に対して出したひげを生やせという規則に関しても、預言者がひげを生やすように信者に命じたという記述はコーランにない。タリバンはひげがないことを理由に投獄や拘束を行うこともある。アフガニスタンの宗教指導者は「タリバンの布告は、イスラムの教えを間違った方向に導いている」と警鐘を鳴らす。
タリバンの布告通りマスクを着用している女性に聞いてみると、やはりタリバンに嫌がらせをされたくないというのが多くの意見。一方、着けていない女性の多くは、イスラムの教えにないものとして、顔を隠すことはしないと主張している。多くのアフガン女性はコーランの正当な見解を理解した上で顔を隠すか隠さないかの選択を自身でしているところは救いだ。
▽無い無い尽くしの暮らし
今のアフガニスタンは「無い無い尽くしだ」と民放のコメンテーターが話していた。国民は、お金が無い、食べ物が無い、人権が無い、女子の中高等教育が無い、命の保証が無い、自由が無い、極め付きは国家として世界に承認されていない。国民はタリバンを信じることが難しいが、タリバンに批判的と思われるニュースや番組は禁止、そのために実際に起こっている事件や事故も国民には伝わらない。インターネットで配信されるニュースや米国拠点の「アフガニスタン・インターナショナル」というダリ語の24時間放送のニュース番組で情勢をフォローするしかない。英語はなく現地語のみのため、現地在住の外国人には、情報入手は難しいのが現状だ。
ムジャヘド報道官、ムッタキ外相はじめタリバンの高官は、治安は確保され、国内での抵抗軍による戦闘は報告されていないと主張している。だが、イスラム教シーア派住民を狙ったISの仕業と思われるテロは後を絶たず、国内の治安を確保すべきタリバン自身を標的にしたテロや抵抗軍による襲撃は実際に起こっており、決して国内の治安が落ち着いているとはいえない。ただ、件数が減っているのは事実だ。5年前の6月31日、カブール市内中心部のドイツ大使館前で600人の死傷者を出す爆弾テロが起きた。給水車におよそ2トンの爆発物を搭載しドイツ大使館前で爆発。爆心直近にいた交通警察など遺体すら見つけられない犠牲者もおり爆発の規模の大きさがうかがえた。
その首謀者とされたテロ組織ハッカニネットワーク指導者の弟アナス・ハッカニ被告は死刑判決を受けながらも米国とタリバンとの和平合意に基づき、釈放された。多くの人々の命を奪ったテロの首謀者セラジュディン・ハッカニは現在、内務大臣として国を治める側にいる。米連邦捜査局(FBI)が巨額の懸賞金をつける人物だ。それがアフガニスタンを統治する側にいる。あまりに理解に苦しむ状況ではないだろうか。
最近、ウクライナで民間人1人を殺害したロシア兵に対して終身刑が言い渡された。アフガニスタンでは、一度のテロで200人の人々が亡くなっている。首謀者は、罪に問われるどころか、国を治めている。この不公平さをどこに訴えればいいのか、国民同様私自身もここカブールでもんもんとした日々を送っている。この国の将来は、どこにあるのか。閉じたままのカーテンが再び開き、光が差し込む日が来るのか。国際社会の関心が再びアフガニスタンに向くよう願ってやまない。
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