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スーフィズムに関するHP

3222チバQ:2021/07/11(日) 00:26:54
反米を次世代へ

昨年2月下旬の国会(定数290)選挙の直前、テヘランの大通りには、革命防衛隊のソレイマニ司令官を中心に国民が集う様子をあしらった大型看板が飾られていた。

ハメネイ師の最側近の一人で、周辺国への影響力浸透を図る政策の責任者だった同司令官は、国会選の約2カ月前、隣国イラクで米軍に殺害されており、反米の保守強硬派にとって選挙戦は「弔い合戦」の様相を呈していた。

護憲評議会はこのとき、1万6000人以上の立候補申請者を7000人超に絞り、ロウハニ大統領と同じ穏健派や改革派の候補の多数が失格となった。開票の結果、保守強硬派が全議席の7割超を占め、穏健・改革勢力から国会での優位を取り戻した。投票率は革命以降で最低の42・75%だった。

今回の大統領選とそっくりの状況は、ハメネイ師の「反米プロジェクト」が1年以上前から始まっていたことを物語る。国会選で保守強硬派陣営では無名の若手議員が多数誕生し、若返りも果たした。82歳の高齢で持病もあるとされるハメネイ師にすれば、国会選に続いて行われた今回の大統領選で、反米保守の基盤を強化する作業が完了した形だ。

体制死守のDNA

穏健派のロウハニ師は2015年、イランが核開発を自制する代わりに欧米が経済制裁を解除する「核合意」を結んだ。だが、トランプ前米政権が合意を離脱して制裁を再開。ハメネイ師はこの経緯をみて対米不信を深め、穏健派に国を任せることはできないと考えた可能性がある。

米国に妥協すれば自由と民主主義という概念に国内が浸食され、イスラム教シーア派の法学者が支配する革命体制への批判となって跳ね返る-という危機感があることも間違いない。

ライシ師は6月21日、大統領選での勝利決定後初めて行った記者会見で、核合意に関してはロウハニ政権がウィーンで米国など関係国と行っている協議の方向性を継承すると述べたが、米国に対して「すべての経済制裁」の解除を要求。さらに、米国が検討しているイランの周辺国への影響力浸透やミサイル開発制限に関する協議は受け入れない姿勢を示した。イランと米国の協議はいずれ壁に突き当たる公算が大きい。

この日の会見はまた、革命体制を死守するという「DNA」がライシ師にも受け継がれていることを示した。司法畑で出世を遂げたライシ師は1988年、5千人ともいわれる政治犯の処刑を決めた司法当局の判断に関与したとされ、欧米や国際人権団体の批判を浴びてきた。トランプ政権も2019年、ライシ師を制裁対象に指定している。

しかし、会見で人権問題について問われた同師は、「判事であれ検事であれ、国民の安全を守ったのなら称賛されるべきだ」「どのポストでも人権を保護してきたことを誇りに思っている」などと主張した。守るべきは「革命体制を支持する国民」であり、ひいては体制そのものだという考えがにじんでいる。

ロイター通信によると、ハメネイ師はガソリン値上げを機に起きた反政府デモが全土に拡大した19年末、「国が危機にひんしている。どんなことをしても止めろ」と声を荒らげて政府高官らに鎮圧を命じたといわれる。治安部隊は民衆に銃口を向け、少なくとも300人が死亡した。

当時の出来事はいまもイランの人々の記憶に残っており当面、反体制デモが大規模化することは考えにくい。ただ、経済の低迷が打開できなければいずれ国民の怒りが暴発し、矛先が指導部中枢に向かう公算は大きい。ライシ師を大統領に据えることには成功したものの、ハメネイ師の悩みがこれで終わると考えるのは早計だ。

(カイロ 佐藤貴生)


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