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スーフィズムに関するHP

3103チバQ:2021/02/22(月) 23:01:46
◇「イスラム侮辱」で反発
 もっとも、自由を求める学生たちの主張は、必ずしも社会で広く受け入れられているわけではないのが実情だ。
 デモでは、LGBT+を象徴する虹色の旗などが付されたイスラム教聖地メッカのカーバ神殿の絵が掲げられた。掲げた当事者には、宗教とLGBT+との共存を訴える狙いもあった可能性があるが、イスラム教の価値観を重視する多くの市民はこれに激怒。こうした市民を支持基盤とするエルドアン政権が一段と強硬な対応に踏み切り、虎の尾を踏む形となってしまった。
 この絵の存在が、学長拒否で団結していた学生の間に路線対立をもたらした。イスラム教への理解を深めることを目標とするサークルに所属する学生らは「絵はイスラム教を侮辱している」と反発する別の抗議デモを展開。学生のリベラル派とイスラム主義者の対立があおられ、論争が巻き起こった。
 ヒジャブ(頭部を覆うスカーフ)を着用する女子学生(24)は、「私はイスラム教徒であり、絵を見て心が乱れた。善意でデモに使われたとは思えない」と落胆していた。また、この絵の問題が生じるまで学長任命に公然と反発していた学生がデモの在り方に疑問を覚え、抗議行動と距離を置くようになる動きもみられた。
 政権を支持する圧倒的多数のメディアは、この絵の問題にクローズアップする報道を展開し、デモの本来の目的に世論の注目が集まらない状況が作り出された。エルドアン氏やソイル氏らによるLGBT+に対する厳しい発言は、こうした流れの中で次々に飛び出したものだった。
◇根強い反リベラル感情
 エルドアン大統領のAKPの岩盤支持層は国内で多数派を占める保守的なイスラム教徒で、デモへの強硬対応に有権者の歓心を買う狙いがあると考えられる。トルコでは目下、新型コロナウイルスの感染拡大で経済状況が悪化する中でインフレが加速し、与党への支持離れが生じている。
 イスラム教では元来、同性愛が厳しく禁じられており、信心深い人々は容認の是非以前に、それが話題に上ること自体に嫌悪感を抱くというのが実態だ。虹色の旗と聖地が一緒に描かれるのは、フランスでの「預言者ムハンマドに対する風刺画」が全世界のイスラム教徒の間で大きな問題になったのは記憶に新しく、デモで持ち出された絵に同様の衝撃を受けた人も多い。政権がこの機会にLGBT+を厳しく非難するのは、政治的には当然の流れと言えるかもしれない。
 一方、絵の問題でLGBT+、ひいては自由を求める学生をひとくくりに「テロリスト」などと非難する対応は、摩擦が絶えない欧米諸国との関係で新たな火種となりつつある。とりわけ、多様性重視を訴えるバイデン米大統領はLGBT+の権利擁護に熱心で、外国政府がLGBT+の権利を侵害した場合、金融制裁などを発動することも辞さない姿勢を鮮明にしている。トルコと米国の関係は、ロシア製地対空ミサイルシステムS400をトルコが導入した問題などで困難な状況に陥っており、LGBT+の扱いをめぐる問題がこじれれば、さらなる緊張が生じるのは避けられそうにない。
 トルコは多額の対外債務を抱えるだけに、欧米との関係悪化は景気悪化に直結する。18年夏、トルコの米国人牧師拘束問題を受けた米国の制裁発動で通貨リラが急落し、トルコ経済に大きな混乱が広がったのは記憶に新しい。トルコでは23年に大統領・国会議員選挙が行われる見通しで、今後の経済悪化は、人気が低下傾向にあるエルドアン大統領の再選に黄信号をともすことになりかねない。エルドアン政権としても慎重に対応せざるを得ない面があるのも現状だ。


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