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スーフィズムに関するHP

2839チバQ:2020/01/06(月) 11:46:00
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201912/CK2019122602000176.html
<ヤジド教徒・ある家族の戦い>(上) ISが一家19人を拉致



2019年12月26日 朝刊


家族の救出に苦闘するハリド・ターロさん=奥田哲平撮影

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 過激派組織「イスラム国」(IS)がイラクとシリアに広げた支配地域は今年3月に消滅し、5年に及ぶ掃討作戦は終結した。だが、約1300人が虐殺され、拉致された女性が「性奴隷」にされた少数派ヤジド教徒の悲劇は現在も続いている。イラク北部ドホークで避難生活を送る教師ハリド・ターロ(47)は、兄と妹の一家19人が拉致された。家族の救出と再生に苦闘する軌跡を追った。 (この連載は、カイロ支局・奥田哲平が担当します)

◆女性は「性奴隷」 転売8回
 「ママ、ママ…」。ISの「性奴隷」となったライラ(32)は戦闘員にレイプされながら、隣の部屋からわが子の泣く声を聞いていた。生き別れた家族の行方は分からず、毎夜繰り返される暴力。「私の人生は終わった」。尊厳を砕かれたライラは、世界が色を失っていくのを感じた。

 悲劇は二〇一四年八月に始まった。ターロ一家が暮らしていたイラク北部シンジャールがISに侵攻された。ハリドの妹ライラは警察官の夫マルワンと、当時一歳と三歳の子ども二人の四人家族。貧しくて学校に通えなかったが、トマト農家の収穫を手伝いつつ子育てに忙しい主婦だった。

 あの日、ハリドは間一髪で逃げて無事だったが、ライラたちと一緒に暮らしていた兄ダヒール一家の合わせて十九人が乗った車が逃げる途中で故障し、ISに拘束された。一家は近くの町で家畜の飼育に従事させられ、八カ月後の一五年四月、仕事に出掛けた男性たちは突然姿を消した。

 ライラら女性と子どもたちは、ISが「首都」と称したシリア北部ラッカに連行された。ISは一四年十月、イスラム教徒以外の異教徒を戦利品とみなし、「奴隷」として扱うことを認めると宣言。中でもヤジド教徒を標的にし、女性を拉致して組織的に売買、譲渡した。女性を捕らえることで戦闘員を世界中から勧誘して士気を高めるとともに、支配地域の住民に恐怖を植え付ける戦略だった。

 ライラは数日から数カ月間ごとに計八回売買された。アブドラ・ハシムと名乗ったイラク人医師の子を身ごもり、薬で流産させられた。腕に夫マルワンの名前のタトゥーを見つけた男に「消さなければ、おまえを殺して子どもを連れて行く」と脅され、ライラはかみそりで肌をそぎ取った。

 イスラム教徒に改宗させられ、礼拝や断食に従った。戦闘員はライラに飽きると、普段は黒いベールで顔を覆っているライラに化粧をして着飾らせ、別の男に売った。奴隷として扱ったのは戦闘員だけではない。サウジアラビア人の男の妻は、ライラの子ども二人を虐待した。冷たい水を浴びせ、さらに床を拭かせた。

 二度目の中絶をしたライラは体力が衰え、何度も自殺が頭をよぎった。「でも、私が死ぬ最後の一息まで、子どもは見捨てない」。一七年一月、八人目の男がライラを転売すると決めた際、閉じ込められた部屋中を踏みならして泣き叫んだ。「兄に電話して。私の自由を金で買う」。男が提示したのは七千五百ドル(約八十二万円)だった。

 そのころハリドら兄弟たちはクルド人自治区の難民キャンプに落ち着き、家族の行方を探していた。「最初は絶望的だった。だが、少しずつ状況が変わり始めた」。一六年秋、米国主導の有志国連合がイラクのIS最大拠点モスルの奪還作戦を始め、「首都」のラッカ周辺にも迫りつつあった。 (文中敬称略)

2014年8月にISに拉致されたターロ家の19人。4段目右端がライラさん=ハリド・ターロさん提供

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<ヤジド教徒> ゾロアスター教(拝火教)やキリスト教などが交じった独自の宗教を信仰する。クジャクの姿をした天使を崇拝し、この天使を悪魔とみるISが2014年8月、55万人が住むイラク北部シンジャールに侵攻、約1300人を虐殺した。約6400人が「奴隷」として拉致され、今も3000人余りが行方不明。ISの性暴力の実態を告発したナディア・ムラドさん(26)が昨年のノーベル平和賞を受賞した。


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