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スーフィズムに関するHP
2685
:
チバQ
:2019/06/18(火) 23:34:17
つまり、日本が輸入している原油のほとんどは、ペルシャ湾の出入り口にあるホルムズ海峡を通ってくる。ホルムズ海峡は、最も狭い所で幅がわずか33キロ・メートルと、非常に狭い海峡ながら、世界で海上輸送される原油の約3分の1がここを通るという交通の要衝だ。イランはことあるごとに「ホルムズ海峡を閉鎖する」と脅しをかける。
ペルシャ湾で緊張が高まると、最も心配されるのが原油の安定供給である。原油を中東に依存する日本にとっても人ごとではない。湾岸情勢は日本のエネルギー安全保障に直結する問題なのだ。
ペルシャ湾岸を舞台とする米国とイランの対立に出口を見いだすべく、日本にも仲介役のお鉢が回ってきた。安倍首相は今回のイラン訪問で、米国との交渉を真剣に考慮するよう説得する。
訪問中にはロハニ大統領だけでなく、最高指導者であるハメネイ師とも会談する見通しだ。この点は重要である。イランにおいて最高指導者は大統領よりも上位にあり、絶対的な権力を握っているからだ。
日本の現職首相のイラン訪問は1978年の福田赳夫氏が最後であり、79年のイスラム革命後では初めてとなる。日本の首相がイランの最高指導者に会うのも今回が初めてだ。
安倍首相は83年に父親の晋太郎氏が外相の時に一緒にイランを訪問しており、今回のイラン訪問に向けて特別な感情があっても不思議ではない。
安倍首相はイラン核合意が締結されて以来、何度かイラン訪問を計画したが、実現には至らず先送りされてきた。今年は、くしくも日本とイランが国交を樹立してから90周年であり、首相のイラン訪問はこれ以上ないタイミングである。
安倍首相は、総理大臣の在職日数が歴代3位という長期政権を率いる指導者であり、トランプ大統領との親密ぶりには世界が注目している。5月26日には、日本を訪れたトランプ大統領とゴルフを楽しみ、仲良く並んで自撮り写真に納まった。両者の親密ぶりには、イランも注目しているはずだ。
安倍氏は首相になってからイランの地を踏んだことはないが、毎年9月の国連総会の機会には6年連続でロハニ大統領と首脳会談を行っている。会談のたびにイラン訪問を促されるなど、ロハニ大統領とは良好な関係を築いてきた。
トランプ大統領の来日10日前の5月16日、安倍首相は急きょ日本を訪れたイランのザリフ外相と会談した。トランプ大統領への影響力に着目したイランが、日本の協力を期待している節がうかがえる。
モサデク首相による51年の石油国有化宣言の後、英国はイランに原油禁輸の制裁を課した。だが、日本は53年、八方手を尽くしてイラン産原油を輸入した(日章丸事件)。イラン国民が日本に対して一般的に良い感情を持っているのは、この時のことがあったからと言われている。
とはいえ、数十年にわたり複雑に絡み合った憎しみの歴史を持つ米国とイランの橋渡しは、それほど簡単なことではない。これまで中東であまり存在感を示さず、政治的にそれほど大きな影響力を持たない日本の首相が、イランに対してどの程度の交渉力を発揮できるのか、期待とともに見守りたい。
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