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チバQ
:2018/02/15(木) 22:04:05
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/mainichi-20180215k0000m030146000c.html
<トルコ>欧州となお溝 独、EU加盟交渉打ち切り示唆
02月14日 21:44毎日新聞
2016年にクーデターが失敗したトルコと欧州との関係が今も、きしみ続けている。トルコのエルドアン政権が、今後の選挙を見据えて強権的な手法による政権基盤固めに力を注いでおり、欧州側は人権保護や民主主義の維持などの観点から懸念を深めているのだ。両者の対立は根深く、雪解けは遠そうだ。
◇クーデター後、エルドアン政権強権化
欧州でトルコと最も対立を深めている国の一つがドイツだ。トルコのエルドアン大統領はクーデター失敗後、報道機関の弾圧を強め、昨年2月には、独日刊紙ウェルトの在トルコ特派員、デニス・ユーチェル氏を民衆扇動容疑などで拘束。独政府はドイツとトルコの二重国籍を持つユーチェル氏の釈放を要求したがトルコは拒否し、外交問題に発展した。
メルケル独首相は昨年9月の連邦議会選挙戦で、05年から続いているトルコの欧州連合(EU)加盟交渉打ち切りを目指す考えを表明。EU加盟国の支持がなく、実現性はないが、対トルコ世論の悪化を象徴する発言と受け止められた。
ガブリエル独外相は今年1月、トルコのチャブシオール外相とドイツで会談し関係改善で一致したが、大きな変化は見えない。
ユーチェル氏はトルコも加盟する欧州人権裁判所に釈放を求め、トルコ政府を提訴。人権裁は7月末までに判決を出す方針だ。
一方、オランダ外務省は今月5日、駐トルコ大使を正式に召還し、新トルコ大使の着任を認めないと発表した。「対話を重ねたが関係正常化の見通しがたたない」という。
オランダ政府は下院選直前の昨年3月、トルコ系住民の集会に参加予定のトルコ閣僚を「治安上の懸念」を理由に入国拒否。移民が争点だった下院選への影響回避が目的だったが、トルコがオランダ側の対応をナチスに例えて批判し関係が悪化した。トルコ政府は同月以降、オランダ大使の滞在を拒否。関係修復の見通しはない。
トルコのEU加盟交渉では、人権や法の支配などEUが重視する基本的価値を巡る隔たりが大きい。一方でEU側は、シリア難民の欧州流入阻止策でトルコにすがらざるを得ないという弱みもある。
EUとトルコは3月26日にブルガリアで首脳会議を開き、加盟交渉の展望を協議する。トルコ側は国内のシリア難民対策を巡り、EU側に経済支援の強化を求める構えだ。【ベルリン中西啓介、ブリュッセル八田浩輔】
◇5万人を逮捕
「欧州議会は、トルコが直面している状況を全く理解していない」。トルコ外務省は今月8日、トルコに非常事態宣言の解除などを求めた欧州議会の決議に強く反発した。外務省は報道声明で、非常事態宣言の継続は「国家の存続と民主主義への脅威を排除するために必要」と強調した。
エルドアン政権は失敗したクーデター後、非常事態宣言を発令し、敵視する米国在住のイスラム教指導者、ギュレン師の支持者の粛清に乗り出した。対象を「すべてのテロに関係する者」に拡大しており、これまでに公務員や学生、教員、ジャーナリストら約5万人が逮捕され、15万人が職を解かれた。
一方、政権への国民の支持はゆらぐ。大統領制への移行を問うた昨年4月の国民投票では、賛成が51・4%と伸び悩んだ。来年には大統領選と総選挙のダブル選挙を控えるエルドアン政権にとり、支持基盤固めが喫緊の課題として浮上。その手段として、反政権的なグループへの圧力強化を選択した形だ。
欧州諸国による人権状況への批判にも、政権はことごとく反論。対外的な強硬姿勢を示して「強さ」をアピールし、支持固めにつなげる意図もあるとみられる。【エルサレム高橋宗男】
【ことば】トルコのクーデター失敗
エルドアン政権のイスラム主義的政策に反発した世俗主義的なトルコ軍の一部が2016年7月、アンカラの国会議事堂を爆撃、イスタンブールの国際空港も封鎖。クーデター成功を宣言したが、半日後に正規軍に制圧された。トルコ政府は、エルドアン大統領の政敵で在米のイスラム教指導者、ギュレン師が首謀者と主張し、米国に引き渡しを求めているが、米国は拒否。ギュレン師も関与を否定している。
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