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スーフィズムに関するHP

2215とはずがたり:2017/12/03(日) 19:22:52
>>2214-2215
その後、緊張は緩和しており、今回の危機がサウジ、イラン両国の軍事対立へとエスカレートする可能性は低い。中東地域のライバル同士による直接衝突懸念は和らいでいるものの、両国による代理戦争は、依然続く中東地域の不安定化を招いている。

サウジとイランは、2003年に米国がイラクを侵略して以来、イラク、シリア、イエメン、レバノンにおいて、それぞれ対立する勢力を支援している。この対立は、部分的にはスンニ派とシーア派によるイスラム教内部の歴史的な対立に根ざしているが、もっぱらシーア派主導のイランと、スンニ派主導のサウジアラビアによる地域的な政治覇権争いと化している。

この代理戦争は、いまや、米国やロシアなどの大国も巻き込みつつ、ここ数年の中東における殺りくと破壊の元凶となっている。

失われた人命は数十万人に上っている。特にシリアでは、2011年3月にイランやヒズボラが支援するアサド政権に対する反乱が発生して以来、40万人以上が殺された。また長引くシリア内戦は、500万人を超える難民を生み出し、安住の地を求める彼らの流入によって、近隣諸国だけでなく欧州においても政治危機を引き起こしている。

2015年1月、サウジアラビアのアブドラ国王が逝去し、20年の治世を終えた。後継者となった弟のサルマン現国王は、すぐさま積極的な外交政策を推進。

米国の軍事介入に対する依存や、代理勢力を介したイランとの戦い、そして小切手外交といった歴代国王の路線を採らず、新国王とその側近は2015年3月、イエメンのシーア派系反政府勢力フーシ派に対する戦争を開始。戦いが長引くなか、サウジアラビアとその同盟国が行った空爆によって、約10万人に上る民間死者総数の大半が犠牲になったと見られている。

サウジは、イエメンでの紛争により動きが取れなくなっている。徹底的な空爆や封鎖にもかかわらず、サウジ政府とその友好国は、依然としてフーシ派をイエメン首都サナアから排除できていない。

特にサウジがイランによるミサイル提供を「戦争行為」と非難したことで、イエメンは代理戦争の表舞台として躍り出た。

サウジは4日、リヤドに飛来する途中で撃墜した弾道ミサイルは、イエメンに分解後密輸されたものだと主張。サウジ当局者によれば、ヒズボラとイラン革命防衛隊のメンバーがミサイルを組み立て、フーシ派がイエメン領内からの発射を支援したと述べている(イランとヒズボラはミサイル発射への関与を否定している)。

サウジ指導部はその後、レバノンを敵性国家と断定する試みを後退させている。すでにイエメンに深入りしすぎ、カタールとの外交危機にを招いている今、サウジとしては、アラブ諸国や国際社会と幅広い連帯を築くことなしに、レバノンでイランが提携するヒズボラに対して、効果的な戦いを挑むことはできないからだ。

とはいえ、今が中東における危険な瞬間であることに変わりはない。イランとサウジが両国の対立関係を「ゼロサム・ゲーム」、つまり相手の犠牲なしに自国が利益を得ることはできないと考えている限りにおいて、誤算によって抑制なき状態に突入するリスクは残っている。


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