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https://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/sankei-wor1707040076.html
【イスラム国(IS)】絶え間ない爆音、煙上がるIS象徴モスク イラク・モスル旧市街ルポ 「テロリスト未亡人も自爆した」
07月04日 21:39産経新聞
【イスラム国(IS)】絶え間ない爆音、煙上がるIS象徴モスク イラク・モスル旧市街ルポ 「テロリスト未亡人も自爆した」
3日、ISとの戦闘が続くモスル旧市街。戦車や兵士の姿が目立ち、爆音が鳴り響いていた(佐藤貴生撮影)
(産経新聞)
3日、記者が入ったイラク北部モスルの旧市街では、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)から街を奪還するイラク軍などの作戦が最終盤を迎え、激しい戦闘が行われていた。建物の大半が破壊された大通りには戦車が走り、自動小銃を持った兵士が頻繁に行き交う。廃虚と化した街並みが戦闘の激しさを物語っていた。(モスル 佐藤貴生)
絶え間なく響く空爆や砲撃の爆音。続いて立ち上る煙。旧市街のナビシート地区の大通りを進むと、イラク軍などのバリケードに行き着いた。戦闘地点から1キロ前後。着弾の衝撃が地面から足元に伝わってくる。
「あっちがヌーリ・モスクの方向だ」。煙が上がる方角を警察官のフサーン・アブドルさん(30)が指さした。ISの指導者バグダーディ容疑者が3年前、自らを「カリフ」(預言者ムハンマドの後継者)だと宣言し、IS支配の象徴だったモスクだ。
「昨日はここが戦闘の前線になり、兵士4人が死亡した。しかし、今日の前線はもっと前だ。われわれが前進したのが分かるだろう」(アブドルさん)。
取材に同行した連邦警察の男性警官(28)によると、住民を装って脱出を図るISの戦闘員が多くいる。「しかし、住民はすべて目撃している。彼らに疑わしい者をみせると、『ISの狙撃手だ』などとすぐに見破る」という。
大通りに面する多くの建物が破壊され、路面にはガレキが延々と広がる。商品が散乱したままの店も多く、住民が混乱の中で避難を余儀なくされたことがうかがえる。
大通りの入り口で1軒だけ開いている漬物店があった。店主のヤヒヤ・シートさん(35)は、「工場にISが火を放ち、漬物のたる6千個が焼けた。それでも、逃げればISに店が奪われるから居残った」と話した。
店に居合わせたジャマル・アブドラさん(47)は「ヌーリ・モスクにはしばしば礼拝で行っていた。ISが破壊したことに心が痛む」と顔をゆがめた。
旧市街は大通りから一本入ると、狭い路地が迷路のように続いている。建物の被害も比較的少なく、住民が生活する姿もみられた。
自宅の土間で食器を洗っていた女性のメルキヤ・ハサンさん(68)は、「息子も夫も体が不自由で逃げることができなかった。治安部隊が見つけて保護してくれた」という。
IS支配下の3年間、住民はさまざまな影響を受けてきた。すぐ近くに家族と暮らす6歳の女児は「遠くに行けず、狭いところでしか遊べなかった」と話す。
IS戦闘員に感化された女性や子供による自爆テロもしばしば起きている。クルド人記者(29)は、「ISに入った夫が自爆テロで死亡し、将来像や夢が描けなくなった未亡人が犯行に及ぶケースがある。子供は洗脳されやすい」と語った。戦闘が終わっても、テロの危険は街からすぐには消えない。
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