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スーフィズムに関するHP
1979
:
チバQ
:2017/06/08(木) 19:51:16
http://www.sankei.com/world/news/170607/wor1706070009-n1.html
2017.6.7 05:00
【パレスチナ占領半世紀(中)】
ベツレヘムの壁 劣悪な住環境「まるで監獄」
キリスト生誕の地とされるパレスチナ自治区ベツレヘムは、エルサレムから車で15分という近さだ。しかし、とてつもない距離だと感じている住民もいる。
「イスラエルは移動の自由を認めない」。市中心部で会ったパレスチナ人のタクシー運転手、ナセル(51)はそう言うと横にいた知人の男性(31)を指さし、「彼はベツレヘムから出たことがほとんどないはずだ」と話した。
住民の大半は、市外に出るのにイスラエル側から特別な許可を得なくてはならないという。イスラエルがテロ防止策として住民の移動を規制しているためだ。
自治区の内と外を隔てるのは、自動小銃で武装したイスラエル兵と、街を取り囲む高さ数メートルの「分離壁」だ。壁に沿って随所にイスラエル側の監視台が設置され、「まるで監獄だ」と話す住民もいた。
「将来への希望など持ちようがない」。民芸品の店を営むバラカット・アセム(48)によると、イスラエルが「テロ対策」を理由に制度を変えると、突然銀行が閉鎖されることもあり、「怖くて金も預けられない」という。
同行した地元記者は、「イスラエル兵が通告もなく市内に進入し、家宅捜索したりすることは珍しくない」と話し、声を強めた。「これが自治区の実態だ」
■ ■
パレスチナ自治区では内紛が続く。ベツレヘムなどヨルダン川西岸はパレスチナ自治政府が管理し、地中海に面したガザ地区はイスラム原理主義組織ハマスが2007年に武力制圧した後、実効支配している。
イスラエル側検問所を抜けてガザに入ると、警戒態勢は西岸より段違いに厳しく、「隔離」された住民は西岸より劣悪な環境下での暮らしを強いられていた。
住宅は老朽化し、商店やレストランも数少ない。市街の工場も「全面的に稼働しているわけではない」(住民の1人)という。
「イスラエルによる封鎖のせいで薬品が手に入らない。1日のうち18時間ぐらい停電しており、このままだと運営がたち行かなくなる」。中心部にある病院の院長、アハマド・カーロウト(45)が話した。
ただ、急速な経済悪化の理由の一つは6〜7万人いる公務員の給与の3割カットで、雇い主の自治政府が4月に発表したものだ。ハマスに圧力をかけ、ガザへの影響力を強化する狙いだといわれる。
権力闘争に明け暮れ、団結とはほど遠い。
前出のアセムはパレスチナ側の指導層について、「一般の民衆のことを考えていない。パレスチナ国家など樹立できるわけがない」と断言した。
■ ■
この半世紀で、パレスチナを支援してきたアラブ諸国の姿勢も変わった。
第3次中東戦争でイスラエルに敗北したエジプトは73年、シリアとともにイスラエルに奇襲攻撃を仕掛け、第4次中東戦争へと発展。その後、イスラエルと平和条約を締結した。
エジプトの政治評論家、モウニル・アデーブ(49)は電話取材に、「第3次中東戦争はエジプトにとってはひどい敗北だったが、当時の政権は『後退』と言い換えて実態を隠したがった」と話した。
汎アラブ紙アルハヤートは5月27日付で、「アラブの団結というモットーは崩壊した」と評した。
アラブ諸国の関心はいま、イランの脅威やシリア内戦の行方にある。パレスチナ問題解決への熱意は冷めている。(ベツレヘム 佐藤貴生)=敬称略
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