したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

スーフィズムに関するHP

1632とはずがたり:2016/09/04(日) 16:20:15
>>1631-1632
 PYDが米国の支援を後ろ盾にして勢力を伸張し、国家までいかないにしても国境のシリア側に「自治区」でも創設すれば、PKKの活動も刺激されて自国の安全保障が脅かされる、というのがトルコの懸念である。

 今回トルコが急きょ、越境攻撃に踏み切ったのは、シリアの武装組織YPGがマンビジュを攻略した後も同地にとどまり、マンビジュをクルド支配地統合の足掛かりにしようとした意図が見えたからだ。

 マンビジュのIS撃退に当たっては米軍が空爆支援したが、この際のクルド側との合意では、マンビジュを制圧した後は、YPG戦闘員が同市から撤退することになっていた、というのが米側の解釈。しかしYPGが制圧後も居座る姿勢を示したため、トルコが激怒、YPGのこれ以上の拡大を阻止するため米側の了承の下に越境進撃したというのが真相だ。

ISとの戦いから手を引く恐れ

 米国はこれまで、トルコの再三の抗議にもかかわらず、YPGとの協力態勢を維持し、武器や資金を供与してきた。YPGの支配地域に約300人の米特殊部隊を投入、YPGと約5000人のアラブ人(シリア人)による「シリア民主軍」を構築してISとの戦いを推進してきた。

 オバマ政権のテロとの戦いの基本戦略は、地上部隊は地元の武装勢力にまかせ、米軍は小規模の特殊部隊の他は、空爆に徹するというものだ。シリアの反体制派は分裂状態で頼りにならず、米国にとってはYPGが唯一信頼できる組織だったのである。

 しかし越境作戦と同じ日にトルコを訪問した米国のバイデン副大統領は記者会見で、シリアのクルド人にとっては了承しかねない3つの点を明確にした。1つはトルコ軍のシリア駐留に賛同すること、2つ目はクルド人による分離独立は絶対に認めないこと、3つ目はクルド人がマンビジュから撤退しない限り、米国は今後支援しないことである。

 クルド人が米国の説得を受け容れてISとの戦いに命を賭けているのは、将来的に悲願である「独立国家」を持てるかもしれないという希望があるからである。しかし米政権のナンバー2がこの希望を明確に打ち砕いたことで戦うモチベーションが著しく低下したのは否めない。

 米国はトルコのクーデター未遂事件で、トルコが首謀者とする在米中のイスラム指導者ギュレン師の引き渡しを拒否し、両国関係は極度に悪化。北大西洋条約機構(NATO)の一員であるトルコがロシアとの関係強化に踏み切るなど看過できない状況に陥っている。このためバイデン副大統領がトルコを訪問し、関係の修復を図ったわけだ。

 だが、トルコとの関係修復を優先した結果、クルド人を事実上切り捨てることになった。クルド人には米国から裏切られたという思いが強い。今後、得にもならないISとの戦いから手を引く恐れもある。少なくとも本気で戦わないだろう。トルコを取るか、クルド人を取るか。米国のジレンマは続く。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板