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スーフィズムに関するHP

1448とはずがたり:2016/03/02(水) 19:12:45
トルコのクルドとの和平と引き換えにシリア北部への権益を認められないかなぁ。。
アサド=ロシア=イラン(シーア派)に力の均衡に拠る平和をもたらすには自由シリア=トルコ=アメリカ=クルドが力を合わせないと。トルコとクルドを好きな俺としては何時も引き裂かれる思いだ。

シリア和平は次の紛争の始まりに過ぎない
Why the War in Syria is Only the Beginning
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4610.php
凄惨な内戦に終止符を打つ機運が高まっているが、中東では和平は平和を意味しない
2016年3月1日(火)19時00分
エマニュエル・カラジアニス

 19世紀プロセインの軍事戦略家、カール・フォン・クラウゼビッツが名著『戦争論』のなかで言及したことでよく知られる「戦場の霧」(The Fog of War:戦闘における不確定要素)を、われわれは中東ではっきりと目にすることができる。

「アラブの春」がシリアにおよんだ2011年、西欧諸国の政策立案者とアナリストの大半は、バシャル・アサド政権の力を過小評価し、シリア政府軍は早晩敗走するだろうと考えた。アサドがリビアの元指導者ムアマル・カダフィと同じ運命を辿り、憎むべき独裁者として国民に打倒されることになるだろうと予想したのだ。

 だがアサド政権には、思いがけないほど多くの味方がいた。イスラム少数派のアラウィー派やキリスト教徒、都市を基盤とするスンニ派などを動員し、生き延びてしまいそうだ。レバノンの過激派組織ヒズボラやイランもアサドに肩入れし、反政府武装勢力との戦いを率いてきた。イランに至っては、アフガニスタンやパキスタンからもシーア派民兵を連れてきてシリアの戦場に投入してきた。そして最後は、ロシアの反政府武装勢力に対する空爆に救われた。

 シリアでは先週末、米ロ主導の停戦が5年ぶりに成立したが、和平交渉の先行きもまた霧の中だ。欧米の大国やロシア、多くの近隣諸国(トルコ、イラン、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イスラエル)、半自治組織のヒズボラ、ISIS(自称「イスラム国」、別名ISIL)やアルカイダなどのジハード組織を巻き込んだ一大地域紛争と化している。これほど多くの国や組織が関与する紛争で、和平交渉がそう簡単にうまくいくわけはない。

シリアは第2のボスニアになる
 シリア=ロシア=イランの枢軸は、部分的な勝利を確信しているようだ。アサド政権は、アレッポなどの重要な中心都市での支配を取り戻しつつある。ロシア空軍と百戦錬磨のシーア派戦闘員のおかげで、シリア政府は優位な立場で今後の交渉に臨めるだろう。だが、アサドが以前の体制に回帰できると期待しているとしたら、それは愚かな考えだ。シリアは第2のボスニアとしてしか生き延びられない。シリアを待ち受けているのは、激しい民族紛争の果てに、民族ごとに国土を分割統治することになったボスニアと同じ運命をたどることになるだろう。

 大国の間では、シリア内戦を現在と同じ壊滅的な規模では継続させられないとする新たな認識も生まれている。停戦を本格的な和平につなげる強い意欲を示している。米国とロシアが、新たな「サイクス・ピコ協定」(1916年に英国とフランスの間で結ばれた秘密協定で、オスマン帝国の分割につながった)を締結しようとしているというのは言いすぎだとしても、中東に新たな勢力バランスが築かれつつあるのは明らかだ。シリアは今後も部分的にロシアの影響下に置かれ、米国はイラクで強力な存在感を維持していく可能性が高い。

 このシナリオで一番損をするのはトルコだろう。トルコのエルドアン大統領は、トルコと国境を接するシリア北部でISISと果敢に戦っているクルド人武装勢力を空爆で叩こうとした。国境のトルコ側で独立を求めているクルド人勢力が勢いづくのを恐れたからだ。だが、シリアのクルド人に対する攻撃は失敗する運命にある。なぜなら、クルド人は米国にとってシリア北部における最強かつ唯一の味方だからだ。

和平が新たな火種に
 中東の新たな力関係は、国を持たない世界最大の民族であるクルド人が「国」を手にするチャンスをもたらすかもしれない。まずは、シリアとイラクの国内で自治が認められ、次に完全な独立を獲得する。クルド人国家の樹立が、トルコやシリアとの新たな紛争の種をまくことになるのは必至だが。

 中東政治の特徴は、不安定性と絶えず変化する同盟関係だ。山や川では境界線が引けない地理的条件と、「ある国家にとっての損失は別の国家にとっての利益である」というゼロサム思考のせいで、常に相互不信に突き動かされている。シリア内戦はその始まりにすぎない。前途には、さらなる地域紛争が待ち受けている。

(筆者は、キングス・カレッジ・ロンドンの防衛研究学科上級講師)


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