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スーフィズムに関するHP

1198チバQ:2015/11/13(金) 20:42:05
http://mainichi.jp/shimen/news/20150913ddm010030070000c.html
ストーリー:シリア内戦、命懸けの医師ら(その2止) 同胞救うのは務め
毎日新聞 2015年09月13日 東京朝刊
<1面からつづく>

 ◆シリア内戦、医師たちの決意

 ◇「たる爆弾を止めて」

 トルコ南部の主要都市ガジアンテップ。私が訪れた7月24日、45キロ南に横たわる国境のシリア側で、トルコ空軍が初めて過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点を空爆した。米国主導の有志国連合が2014年夏に開始したIS掃討作戦への参加に踏み切ったのだ。

 その頃、強い日差しが照りつける市内のホテルに、シリアから来た医師や看護師たち約50人が集まっていた。在米シリア系医師らで作る「シリア・アメリカ医療協会」(SAMS)の会合があり、救急医療実習などを受けるため参加した。絶望的に不足する人手や医薬品、機器の窮状を訴え、支援を求める場でもある。

 「とにかく、たる爆弾を止めてほしい。町が死んでしまう」。たまりかねたようにウサマ・アブドルアジズさん(32)は言った。シリア北部アレッポの仮設病院で外科医として働く。内戦前のアレッポは人口200万人を超すシリア第2の都市だった。数千年の歴史を持ち、12世紀ごろの城塞(じょうさい)が残る旧市街全体は世界遺産だ。

 シリアでの日本研究の主要拠点でもあったアレッポ大学で、アブドルアジズさんは「人のためになりたい」と医学を学んだ。中東の民主化要求運動「アラブの春」が波及したのは研修中の11年春。デモに参加して当局による武力弾圧を目の当たりにし、反体制側地域に移った。

 現在、反体制派がアレッポの東側、政府軍が西側を支配する。12年8月に日本人ジャーナリストの山本美香さんが戦闘に巻き込まれて死亡するなど、シリア最大の激戦地の一つだ。推定約30万〜40万人が住む都市に医師は30人しかいないという。「うちの手術室は4室、外科医は2人。私が離れている今、空爆があれば、どうしようもない」。アブドルアジズさんは沈痛な表情を浮かべた。

 空爆に使われるヘリコプターなどの航空機は「政権側しか持っていない」(パワー米国連大使)とされるが、アサド大統領はたる爆弾の使用を否定する。反体制派の武装勢力にとどまらず、多数の民間人が巻き添えとなっている政府軍の軍事作戦についても、「テロリストとの戦い」との主張を崩さない。たる爆弾を巡っては、国連安全保障理事会が14年2月、人口密集地での使用を中止するよう求める決議を採択した。しかし、シリア国内にネットワークを持つNGO「違反記録センター」(VDC)によると、その後も使われ続け、今年5月までの1年3カ月で3831人の民間人が死亡した。6割強がアレッポやその周辺に集中する。

 アブドルアジズさんが勤務する「M2病院」付近が空爆されたのは今年5月29日だった。病院のドアや窓が破壊され、看護師1人が死亡。自家発電機や酸素発生装置、給水もインターネットも止まった。発電機用のガソリンは「ISから来るものを買っている」と話す。米国などは、石油の密売がISの主要資金源の一つとみて、空爆で生産施設を破壊している。だが、ISの支配はシリア北東部を中心に揺るがず、一部はアレッポ周辺に迫っているのが現状だ。

 「この4年半、戦闘を止めてくれと叫び続けたが、何も起きない。世界は傍観しているだけだ」。アブドルアジズさんの言葉に怒りがこもった。

 アサド政権批判の筆頭であるオバマ米政権は、IS掃討を優先し、反体制派やトルコなどが求める民間人保護のための「飛行禁止区域」「安全地帯」の設定に極めて消極的だ。一方、ロシアはアサド政権を擁護。国連安保理は機能不全に陥り、停戦調停は進まない。シリア周辺国のイランはアサド政権、サウジアラビアなどは反体制派を支援する。関与国の思惑が交錯し、内戦は解決の糸口すら見えない泥沼に落ち込んでいる。

 ガジアンテップでは、政府軍が包囲する首都ダマスカス近郊の東グータ地区から来た医師にも会った。名前や年齢を聞くと「身元が分かると家族が危ない」と迷った末に、「ファリス」と答えてくれた。優しい目をした40代の男性だ。

 ファリスさんによると、反体制派の拠点である東グータ地区の封鎖は12年11月ごろ始まった。医薬品や装備を持ち込もうとして検問で発見され、「16人が殺害されるか拘束された」と言う。それでも「車1台あたり1万ドル(約120万円)のわいろ」を政府軍の兵士に渡して医療物資を運び込んでいる。資金源は海外在住シリア人らからの寄付だ。

 時折、国連や赤十字からの医薬品などの搬入が許されることがある。しかし、外科関連の物資は止められる。反体制派の戦闘員の治療に使われることを警戒しているようだが、「負傷者の9割は民間人だ」とファリスさんは語った。


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