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2004年米国大統領選スレ

503とはずがたり(4/4):2010/03/23(火) 00:02:45
>>500-503
……という皮肉で斜めな見方をついしたくなるほど、この法案は妥協と譲歩の産物です。でも、それでもワクワクします。アメリカに、国民保険(のようなもの)が導入されるんだ! この意味するところは、『ER』を観たことのある人なら何となく分かるのではないでしょうか。保険がないから病院にかかれないという人が、(うまくいけば)いなくなるかもしれないのです。保険会社が支払いを認めないから、必要な治療が受けられないという悲劇が減るかもしれないのです。アメリカで!

思い切り私事ですが、実は私は先日、風邪だと思っていた微熱がいきなり39度台に跳ね上がり、我ながら恐くなるという思いをしました。検査の結果、風邪でもインフルエンザでもない細菌感染で、医者に処方された抗生物質がてきめんに効いたのですが、その時つくづく思いました。「保険に感謝」と。自分で勝手に判断して飲んでいた市販薬が、ことごとく効かなかったので。ありがたいことに健康保険が使えるので、私は病院に行けました。でも日本では35万人以上、そしてアメリカでは3200万人以上いる「無保険」の状態になってしまったら、どんなに熱が出ても、検査も診察もないまま市販薬を飲み続けるしかない。ましてもっと深刻な病気やけがに至っては……。

オバマ大統領は可決後の記者会見で、これを「victory for common sense(常識の勝利)」と呼びました。10カ年で9400億ドル(約94兆円)がその値札です。ちなみに1946-1996年の間のアメリカの核兵器開発の年間予算が約980億ドルと言われます。つまり、10カ年で 9800億ドル。国民の医療保険に9400億ドル。核兵器に9800億ドル。あるいは一部の民間推計によると、イラク戦争の米側戦費は2010年2月までの時点で推計7040億ドルだとか。7 年間で7040億ドル。どれが高くて、どれが高すぎるのか。こういう時に英語では、こういう言い方をします。「You do the math」と。意味するところは、あなたが自分で計算してみて、と。

余談です。「You do the math」と言えば、1月にこちらで書いたように、やっぱりジョン・スチュワートが正しかった。民主党の牙城マサチューセッツで上院議席を失ったショックから、民主党系のコメンテーターたちが「60議席が59議席になってしまった。もうおしまいだー!」と悲憤慷慨していたのを、ジョン・スチュワートは「まだ共和党より多いじゃないか!」と叱責した。その通りになりました。やっぱりジョン・スチュワートは正しい。

◇筆者について…加藤祐子 東京生まれ。シブがき隊と同い年。8歳からニューヨーク英語を話すも、「ビートルズ」と「モンティ・パイソン」の洗礼を受け、イギリス英語も体得。怪しい関西弁も少しできる。オックスフォード大学、全国紙社会部と経済部、国際機関本部を経て、CNN日本語版サイトで米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。米大統領選コラム、「オバマのアメリカ」コラム、フィナンシャル・タイムズ翻訳も担当。英語屋のニュース屋。


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