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2004年米国大統領選スレ

501とはずがたり(2/4):2010/03/23(火) 00:02:12

○日本のお手本になるか

対立の焦点は概ね三つ。
(1) 政府は小さくあるべきだ、大きい政府反対。自分や自分の家族が病気になったらどうすべきか国が決めるなんて、そんなのは社会主義だ、ファシズムだ。
(2) 政府は小さくあるべきだ。財政赤字をこれ以上、悪化させるつもりか。
(3) 中絶に連邦予算を使うな。

──という三つです。ここに、あらゆる冷静な論議も感情的な論議も巻き付いて、渾然一体となって、訳が分からなくなっていたのを、オバマ政権と上下両院は議論をひとつひとつ切り離して、細かく譲歩を重ねて行った。

その結果、オバマ大統領が選挙中から公約していた公的医療保険制度の創設は見送られました。なので、「アメリカに国民医療保険が実現した」と言っても、日本の国民健康保険のようなものが出来るわけではありません。代わりに、国民全員が民間保険に加入できるように、(i) 加入条件を緩和し、(ii) 必要に応じて加入を政府が補助し、そして (iii) 既往症のある人の保険加入を認めず、加入後に病気になった人を除外し、必要な治療に支払いを渋る民間保険会社に対して監督を強化する??ことになりました(強大な保険業界のロビイストを屈服させたというだけでも、その偉業に私は呆然とします)。

アメリカで100年近く議論され続けてきた国民医療保険が、あくまでも民間を使って実現する。これはいかにもアメリカ的な、民主党と共和党の譲歩の産物です。リベラルな福祉を、自由主義経済と市場原理と小さい政府主義で実現しようとする。福祉は国にやらせようという欧州型の社会民主主義とはあまりに違う。もしこの方式で国民全員が本当にきちんと医療保険を使えるようになるなら、疲弊する医療保険制度を抱えて苦しむ国(たとえば日本)にとっても、興味深いお手本になり得るのかもしれません。日本にも、保険料が払えないなどの理由から国民健康保険が使えなくなる人たちがいるのですから(こちらによると、2007年時点で35万人)。

もっとも、この譲歩案に共和党は全員反対したのですが。


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