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2004年米国大統領選スレ
4322
:
とはずがたり
:2017/02/24(金) 02:07:55
>>4321-4322
弾劾のいいところは、反逆であれ殺人であれ、議会は証拠がなくても手続きを進められるし、どんな些細なことも「重罪や軽罪」と見なすことができる(ビル・クリントン元大統領は、ホワイトハウスの元実習生モニカ・ルインスキーとの不倫疑惑をめぐり嘘をついたとして下院の弾劾決議を受けた)。逆によくないところは、上下両院の多数派をトランプの共和党が占めるため、議会が弾劾を可決する可能性が低いこと。民主党が議会で過半数を獲得すれば話は別だが、それには早くとも2018年の中間選挙まで待たねばならない。
いずれにしろ、弾劾には時間がかかる。たとえ議会が弾劾に大賛成でも、手続きには最低数カ月かかる。ましてトランプには核兵器の発射コードを預けてあるのだから、わずか2〜3カ月でも永遠のように思える。トランプが核ミサイル発射を決断するまで、残された時間はどれほどあるのだろうか。
日々暗雲が漂うなか、世界の一部の人々は、合衆国憲法修正第25条を心の拠り所にしている。これが3つ目の選択肢だ。これまであまり注目されたことがなかったが、この条項には「副大統領と......各省長官の過半数」が、大統領には「職務上の権限と義務を遂行できない」と判断した場合、「副大統領が直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行する」と明記されている。
最後は軍事クーデター
これならマイク・ペンス副大統領の野心もくすぐるだろう。ペンスはいつか大統領になりたいと思っているはずだ。彼は政治家として、必ずしも穏健派ではない。絶えず同性愛者を差別する政策を掲げ、気候変動にも懐疑的。それでも彼は、狂ってはなさそうだ。(「狂っているかいないか」は、アメリカの政治家を評価する新基準だ)
ペンスにはきっと、アメリカにとって重要な同盟関係を次々と骨抜きにし、核の先制使用もありうるというトランプの軽挙妄動に反対するくらいの分別がある。最悪の事態になれば、他の閣僚たちもトランプを追放して、ペンスを大統領にするだろう。
4つ目の選択肢は、アメリカではまさかあり得ないと思われるかもしれないが、軍事クーデター、或いは米軍の上層部が大統領命令の一部に従うのを拒否することだ。
文民統制の原則は、米軍の内部で深く根付いており、党派を超えたプロ意識を誇りにしてきた。一方、軍に関する決定では、制服組よりも、法律違反を厭わない高位の政治家の方が遥かに大きな権限を持つことも周知の通りだ。例えば1期目のジョージ・W・ブッシュ政権は、国内最高の軍事法律家から集団で公式な抗議を受けても、拷問をやめなかった。米軍の上層部が水責めなど過酷な尋問方法に反対しても、同政権は軍の意向を無視して、CIAや丸投げした民間企業に卑劣な仕事をさせた。両者のギャップが大きければ大きいほど、対立は生まれやすくなる。
トランプのやり方は、器用でも洗練されてもいない。政策を設定するにしても、側近や弁護士に密かに告げるような手法を取らず、暴言や夜遅くのツイッターで済ませてしまう。あの神経質で落ち着きがなく、自分勝手で突発的な振る舞いには、ホワイトハウスの一部の側近でさえ憤ったと報じられた。
果たして米軍トップは、分別に欠けるどころか危険な混乱を招く内容で、軍を当惑させる命令を受けたら、どういう行動に出るだろう。例えるなら、「明日メキシコへ侵攻せよ」とか「イスラム教徒のアメリカ人を一斉検挙し、グアンタナモ収容所へ送れ」「中国に教訓を与えてやる、核兵器を使ってな!」といった命令だ。
米軍の上層部が大統領の命令に公然と反抗する光景は、想像すると恐ろしい。だが、狂気の命令に軍が服従すると思うと、同じくらい身の毛がよだつ。結局、軍人は合衆国憲法を守ると言って忠誠を誓うわけで、大統領ではない。私は人生で初めて、軍のトップが大統領にこう告げるのが妥当な場面を想像できる。「いいえ、大統領。その命令には従えません」
みんな覚悟が必要だ。どう転んでも、これからの数年は荒れ模様になるだろう。
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