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2004年米国大統領選スレ
4290
:
チバQ
:2017/02/12(日) 08:52:11
◇「違憲確認」が焦点に
大統領令を巡る展開は今後どうなるか。原告のワシントン州などは即時停止と違憲確認の二つを求めて訴訟を起こしており、争点は異なる。
即時停止の仮処分は、違憲問題の本格的な議論をするまでの事態悪化を防ぐため、制度の一時的な中止を求めるものだ。大統領令が「公共の利益」に反するかどうかについて、裁判所が必要最小限の資料で判断する。政権側が上訴した場合、最高裁も短期間で判断するとみられる。
最高裁判事は共和党に近い保守系4人、民主党に近いリベラル系4人で欠員が1人。同数意見の場合、控訴裁決定が最高裁でも維持される。
一方、違憲確認訴訟は大統領令が合憲か違憲か判断するもので、連邦地裁が2月中旬までに双方に意見書を求めており、始まったばかりだ。
「大統領令は合憲になる」との見方を示す専門家もいる。ジョージ・ワシントン大のジョン・バンザフ教授(米国法)は「米国では過去、アジア人の排斥など差別的な立法がされたが、憲法違反になっていない。また、憲法は米国民には適用されるが、他国民には適用されない。そのため、大統領令は合憲の可能性が高い」と指摘する。トランプ氏は空席の最高裁判事に保守系のゴーサッチ氏を指名し、現在、上院の承認を待っている状態だ。このことを踏まえ、バンザフ教授は「ゴーサッチ氏の承認を数カ月待ち、違憲確認訴訟を戦った方が有利」と指摘する。
今回の大統領令は7カ国出身者の入国を90日間禁止するもので、違憲確認訴訟が終わるまでに期限が過ぎる可能性が高い。だがその後、訴訟で合憲と認定されれば、トランプ氏は特定国からの入国を自由に拒否できるようになるため、「再び混乱が起こる」との指摘も出ている。
大統領令が停止されたり、連邦最高裁で違憲と判断されたりしたケースは過去にもある。
2014年にオバマ氏が出した移民制度改革に関する大統領令は、連邦地裁と連邦控訴裁から即時停止の仮処分命令を受け、政権側が上訴。当時の最高裁の判事は現在同様、欠員1人で保守派とリベラル派が4人ずつとなっていた。多数決で同数となり、控訴裁の決定が維持された。
1952年のトルーマン氏によるストライキを禁じる大統領令、95年のクリントン氏による政府機関が契約する企業を制限する大統領令はいずれも最高裁で違憲と判断された。
◇司法の役割果たした
上智大学・前嶋和弘教授(米政治学)
控訴裁の判断は迅速であり、入国に関する混乱は当面、収まるだろう。政権側の圧力に屈せず、三権分立の中で司法が毅然(きぜん)とした判断を示したことに敬意を払いたい。(権力の誇大化を防ぐ)チェック・アンド・バランスの役割をしっかり果たしている。
今後は連邦最高裁で争われることになるだろうが、争点となるのは、優先されるのが大統領に与えられた安全保障上の「国を守る権限」なのか、それとも憲法上で定められた「信仰の自由」や「法の下の平等」なのかということ。「自由な国」での司法の判断は、米国の歴史上重要なだけでなく、世界的にも大きく影響するはずだ。
トランプ氏にとって今回の判断は痛手と言えるかもしれないが、入国禁止令を出すことや、リベラル勢力への批判的な言葉で、支持者を喜ばせられればよいのであって、実際には痛くもかゆくもないのではないか。
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